平成24年中に個人が不動産を売却した場合(改正点)
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
もくじ
土地が動き出しています
どうやら、東京や大阪など都心部を中心に、不動産の売買が活発化してきているようです。
理由は、
・消費税増税の住宅駆け込み需要を背景とした、不動産業者の仕入のため
・長引く土地価格の低下で値頃感が出てきたため
・金融機関が不動産融資に積極的になってきたため
複数の金融機関担当者や不動産業者の方から聞いたので、間違いないと思いますが、今、不動産取引が一部でかなり活発になってきています。
改正点は3つ
そこで、平成24年中に個人が不動産を売却した時の税金について、改正点を以下3つまとめておきます。
1.「特定の居住用財産の買換え等の場合の長期譲渡所得の課税の特例」について、譲渡資産の譲渡対価に係る要件が「1.5億円(改正前:2億円)以下」とされた上、その適用期限が平成25年12月31日まで2年延長
2.「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」及び「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」について、その適用期限が平成25年12月31日まで2年延長
3.「特定の事業用資産の買換えの場合の譲渡所得の課税の特例」の改正
1及び2については、自宅を売った場合についての特例関係です。
基本的に、平成23年まであったものが延長されています。
3については、重要項目となりますので以下詳細を記します。
事業用資産の買換えについては、要件が厳しくなりました!
国内にある10年超の長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換えについて、買換資産の土地等の範囲が、次のいずれかに掲げるもので、その面積が「300平米以上」のものに限定された上、その適用期限が平成26年12月31日まで3年延長されました。
(1)事務所、工場、作業場、研究所、営業所、店舗、倉庫、住宅その他これらに類する施設(福利厚生施設を除く、以下「特定施設」)の敷地の用に供されるもの(その特定施設に係る事業の遂行上必要な駐車場の用に供されるものを含む)
(2)駐車場の用に供されるもので、建物又は構築物の敷地の用に供されていないことにつき、開発行為の許可の手続などの一定の手続その他の行為が進行中であるというやむを得ない事情があり、その事情があることが一定の書類により明らかにされたもの
但しこの改正は、平成24年1月1日以後に譲渡資産の譲渡をし、かつ、同日以後に買換資産の取得をする場合におけるその譲渡についてのみ適用されます。
譲渡益の約8割が課税繰り延べ
事業用資産の買換え特例が適用されれば、譲渡益の約8割の課税が繰り延べされますので、大変節税効果が高いです。
しかし、今見たように、買換え取得資産の要件が、「原則、事務所等一定施設の敷地のように供されていること」及び「面積が300平米以上であること」の要件が付加されましたので、ご留意ください。
また繰り返しになりますが、この改正の適用があるのは、平成24年以後に譲渡及び買換え取得が行われた場合についてのみですから、例えば、平成24年以後に譲渡があっても、平成23年以前に買換え資産を先行取得しているケースなどは適用外ですので、間違わないようにしてくださいね。
※不動産の個人譲渡の税務は複雑ですので、該当する方は専門の税理士にご相談されることをお勧めします。当事務所でも対応していますので、遠慮なくご相談ください。E-Mail:info@money-c.com
この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
メール通信№299
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