上場株の売却税金、来年2倍!

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


ソフトバンク孫社長、2300億円株譲渡

今や飛ぶ鳥を落とす勢いのソフトバンクですが、その創業社長である孫さんが、11/5にソフトバンク株を自身の個人会社に対して約2300億円で譲渡されました。

これが、何を意味しているかわかりますでしょうか?
実は、これ節税対策なのです(多分)。

今年の12月末(正確には12/25あたり)までに上場株式等を売却すると、税率は優遇税率である10%が使えます(別途復興特別所得税あり、以下同じ)。

年が明けてしまうと、税率は20%となってしまいます。
税金が「倍返し」になります。

ちなみに、上記の孫さんの例では、(取得価格がはっきりとわかりませんが)ざっくりでも約200億円の節税となっています。

桁が違いますね。

税制だけを見ると、年末までは売り圧力・来年からは買い圧力

今年と来年で上場株式等の売却時の税金(大口以外の配当も同様)は、10%から20%へと倍になります。
大幅に利益が出ている方は売りを確定させたいと考えるケースも多いでしょう。

逆に、来年になると税率が倍になる代わりに、NISA(少額投資非課税制度)が登場しますので、税制上は買い圧力となります。

つまりは、税制だけで考えると、株価は年末に向けて下がり、年明けにかけて上がるのでは、とも思います(株価が税制だけで動くことはありませんが)。

そう考えると、大幅多額の利益が出ている方は、年末までに売るにしても、「早い内」に売却した方が、お得(?)かもしれません。

ケースによってはクロス取引もあり

税率10%差というのは、100万円の利益で100万円×(20%-10%)=10万円です。
証券会社への手数料なども考えると、それほど大きい金額とはいえません。
また、利益は売却価額ではありませんので、お間違いないようにしてください。

つまり、売却価額100万円でも購入価額が60万円なら、利益は100万円‐60万円=40万円となり、税率差は40万円×10%=4万円です。

ここで申し上げたいのは、相続で随分以前からもっている等かなり低い価額が取得価額になり多額の利益が出ているようなケースの方が、年末までの売却をお考えになってもいいのではないか、ということです。

利益幅がそれほど大きくないのなら、税制よりも相場動向を見定めたほうが得策かもしれません。

また、大口投資家の場合や商いの少ない銘柄などでは、売り放しに出来ないケースもあるでしょうが、その場合は、クロス取引などを使って、利益確定の売りを確定させた後、再購入するという手法もあります(クロス取引は、会計上及び法人税法上、「法人」では認められていませんのでご注意下さい)。

詳しくは証券会社等にお問い合わせください。

※上場株式等には公募株式投資信託や上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(REIT)等も含まれます。

最後になりますが、売買は自己責任でお願いいたします。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№361


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