日本一早い(?)税制改正速報!

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


法人実効税率は、29%台ほぼ確定

毎年この時期になると、新聞紙面を税金の話題が賑わすようになります。年末恒例の税制改正大綱の発表があるからです。今年は、12/10に予定されています。

今回は「消費税の軽減税率」と「法人税率引下げ」という2大看板がありますので、例年にも増して熱い議論が繰り広げられています。

全体的には、来年は参院選の年になりますので、増税改正は少なくなる傾向にありますが、現時点でいろいろと漏れ伝わってきた情報をいち早くお伝えしたいと思います(消費税の軽減税率については割愛)。

まず、法人実効税率を来年度29%台に引き下げる、というのが大きな方針です。税率が下がることはもちろん納税者にとって悪いことではありませんが、手放しでは喜べません。

法人税全体では原則、税収中立ですので、法人税率引下げのための財源は、どこかから持ってこなければなりません。

大きな財源の1つが、「外形標準課税」と呼ばれる制度の増税です。平たく言うと、赤字企業に対する課税を強化するということです(今回は中小企業は対象外)。「黒字企業は減税、赤字企業は増税」というのが、今回の改正の大きな枠組みです。

むしろ中小企業の本命は、税率以外の項目か

ただし、それだけでは、法人税率引下げの財源は賄えませんので、それ以外にも、増税項目が準備されています。中小企業に影響がありそうなのは、むしろこちらだと思います。

現状で項目として挙がっている主なものは、以下になります。

・定率法の縮小
企業が設備投資した場合、建物やソフト等以外のものについては、定率法で初年度から大きな償却を取ることができます。分かりやすいのが、「中古のベンツ」の話です。4年落ちのベンツを期首に買えば、その年度で全額償却できる、というものです。

この定率法の対象設備を縮小する、という案が出ています。詳細は不明ですが、来年度以降、大きな設備投資を検討されている場合には、影響があるかもしれません。

一部の航空機リースなどの節税商品にも影響が出る可能性があります。


・生産性向上設備投資促進税制などの縮小
現在、最新モデルの機械など一定の要件を満たす資産については、即時償却や税額控除などの優遇措置が設けられています。この税制については、もともと来年の4月以降に縮小される予定でしたが、さらにその内容を限定することを検討しているようです。

こちらも、上記同様、設備投資を検討されている中小企業は要注意です。


・雇用促進税制の縮小
現在、従業員を2人以上かつ10%以上増やした企業は、増加1人当たり40万円を法人税から控除する(法人税額の20%が限度)という雇用促進税制が施行されています。

こちらも縮小の対象になるようです。現在はパート、アルバイト等でも、雇用保険に加入しているなど、要件を満たせば適用可能ですが、来年度からは、雇用環境の悪い地域で、正社員を雇用した場合にのみ限定する改正案が出ています。

また、資本金1億円以下の中小企業でも、売上規模や従業員数が大きい企業などには、中小向けの優遇税制などを適用せず、大企業並み課税を行うことが検討されていましたが、こちらは先送りになったようです。

その他の減税項目

・企業版ふるさと納税の新設
個人版のように、実質2,000円の負担のみで実行できるようにはなりませんが、寄付金額の一定割合を税額控除できる制度が検討されているようです。


・償却資産税の減税
資本金1億円以下の中小企業向けに、新規設備の償却資産税引下げが検討されているようです。


(なお、今回の内容は決定事項ではありません。執筆時点(12/3)での情報に基づいていますので、ご了承下さい。また、続報は、追ってこのメール通信の中でお伝えしていきます。)

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№466


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