プライバシーマーク取得への道~その1~

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


プライバシーマークとは?

この度、弊事務所ではプライバシーマークを2月に取得いたしましたが、その取得手続きの一切を担当させて頂きました。

プライバシーマーク制度を簡単にご説明いたしますと、企業内で取り扱う全ての個人情報を適切な取り扱いが行えるように体制作りをする日本工業規格です。

個人情報の取得、保管、利用、委託、提供、開示・訂正、廃棄、安全管理(情報セキュリティ)など、個人情報が取り扱われるライフサイクルごとに規程を定め、リスクマネジメントを行います。

上記のように構築された「個人情報保護マネジメントシステム(PMS)」を一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)の評価・認定により使用を認められる登録商標がプライバシーマークです。

プライバシーマーク制度ホームページ

http://privacymark.jp/


規程の構成はマイナンバーの安全管理措置とも、共通項が多い内容となっていますので、これを機にプライバシーマークの取得を目指してみてはいかがでしょうか。

プライバシーマーク取得のメリット・デメリット

プライバシーマーク(以下Pマークと表記)のメリットとして、まず挙げられるのは、社内での個人情報の取扱いのルールが規程として明確化されるということでしょう。

今までは一定の社内・部内でのルールはあったとしても、個人の采配に任されていた部分というのもあったかもしれません。
しかし、担当した人によって情報の扱いが違えば、それだけ情報漏えいのリスクも上がります。

したがって、規程を読めば誰もが正しい個人情報の取扱いができるということを意識しながら規程を作ることになります。

また、Pマークの取得に向けて社内に働きかけることは「Pマーク的(個人情報の取扱いの適正さ)にはどうなのか?」と従業員が考えるきっかけにもなります。
一人一人が意識して取り組むことで、企業全体の意識がより明確になります。

2つ目のメリットは、個人情報の取扱いの安心感が目に見えるようになることです。

弊事務所のPマークは以下となります。
http://www.money-c.com/kr/pmark

上記のPマークを社内に掲示したり、名刺や封筒、会社案内等に表示したりすることができます。

社内では厳重に取り扱っていたとしても、消費者や取引先、一部の従業員には情報の取扱いは目には見えません。
現地審査では審査員が実際に個人情報を取り扱う部署・部屋に入って、規程に記載されている通りの安全管理措置が行われているか、確認を行います。
厳格な審査の下、文書・現地審査を潜り抜けて付与されるPマークは個人情報の取扱いにおける安心感の評価につながるともいえるでしょう。

そして、規程づくりにおいて気を付けなければならないのが、「無理なく実践できるか」ということです。
個人情報保護法やPマークのガイドラインに沿った理想の規程を作ったとします。
申請時の書類審査は指摘されることが少ないかもしれません。
しかし、実践できるものでなければ、運営においては足枷となり、従業員のモチベーションの維持が困難になります。

せっかくのルールが生かせない状況こそが最大のデメリットになりうるといえます。

プライバシーマークの取得の仕方

Pマークは申請料は一律5万円ほどですが、申請時の事業者規模によって、審査料、付与登録料が変動します。

まずは「製造業・その他」「卸売業」「小売業」「サービス業」の4つの業種を申請時の従業員数(パートアルバイト含む)又は資本金額から、「小規模」「中規模」「大規模」に分類します。

例えば「サービス業」で従業員が60名いたとすると、中規模事業者に分類され、約62万円が全体の費用になります。
また、現地審査時の審査員の交通費が別途請求されます。

2年後の更新時でも、その時点での事業者規模によって更新費用が変動します。
「大規模」は従業員数と資本金額の両方の条件が一致することとなっているので、上記の例では、従業員が101人であっても資本金が5千万円以下であれば、「中規模」事業者の金額で更新が可能です。
Pマークの付与適格決定後・更新後はPマークが2年間使用できるようになりますので、それぞれの審査の費用が2年間の使用料といえます。

さて、新規申請をするときの審査機関ですが、自分で選ぶことができます。
ご参考までに、比較的審査が通りやすい審査機関が東京にあるということですが、大阪の企業が東京の審査機関に申請することも可能です。
その場合、新幹線代が別途追加されますのでお気を付けください。

ちなみに弊社では厳しいと噂の大阪の審査機関にて申請をいたしました。
細部にわたって指摘されることが多かったですが、リスクマネジメントに対する理解はより深まった様に思います。

理解を深めつつ取得したいとお考えの方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。

次週のコラムは引き続き「プライバシーマーク取得への道~その2~」についてお送りいたします。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№481


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