小規模宅地等の特例、過剰な節税行為を規制

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

相続・贈与

2018.02.05


小規模宅地等の特例

昨年12月に発表された平成30年度税制改正大綱の中から、今回は相続税に関する小規模宅地等の特例の改正についてお届けします。

個人が、相続等により取得した財産のうち、被相続人等の事業用宅地等又は居住用宅地等の一定部分については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額します。この特例を小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例といいます。

今回の平成30年度税制改正において、このうち大きく2点が改正となる見込みです。

・持ち家に居住していない者に係る特定居住用宅地等の特例
・貸付事業用宅地等の範囲

家なき子特例、過剰な節税行為を規制

1つ目は、いわゆる「家なき子特例」といわれるものに関する改正です。

具体的には、以下の方が対象から除外されます。

・相続開始前3年以内に、その者の3親等内の親族又はその者と特別の関係のある法人が所有する国内にある家屋に居住したことがある者

・相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者

この特例は、被相続人に配偶者や同居の相続人がいない場合、相続開始前3年以内に自分又は自分の配偶者が所有する家屋に居住したことがない相続人がその宅地等を相続した場合に、評価減が受けられる特例です。

この特例の趣旨は、持ち家を持たない相続人が自分の居住用として宅地を相続した場合にまで相続税を課税することは酷である、との理由から設けられているものです。

ただ実際には、この特例を活用するために、1人暮らしだった被相続人の自宅を親と同居する持ち家のない孫に相続させたり、自分の持ち家を親族に売却してそのまま住み続け、特例を受けるなどの対策が行われています。

上記の改正により、これらの対策は今後できなくなります。

貸付事業用宅地等の特例

貸付事業用宅地等については、その範囲から相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等が除外されます(ただし、相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付事業を行っている者がその貸付事業の用に供しているものを除きます)。

これは、相続直前に現金で賃貸マンションを購入し、貸付事業用宅地等の特例を受け、相続後にそのマンションを売却するといった行為を規制するためのものです。

上記はいずれも、平成30年4月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されます。(なお、今回の内容は、法案が国会を通過するまでは最終決定ではありません。)

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