小規模宅地等の特例、家なき子・貸付事業用宅地について課税強化

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

相続・贈与

2017.12.25


家なき子特例、過剰な租税回避行為を規制

平成29年12月14日に、自由民主党と公明党から平成30年度税制改正大綱が発表された。その中から、今回は「小規模宅地等の特例」を取り上げる。

平成30年度税制改正大綱によると、小規模宅地についての相続税の課税価格の計算の特例について、次の見直しが行われる。

1.持ち家に居住していない者に係る特定居住用宅地等の特例の対象者の範囲から、次に掲げる者を除外する。
イ 相続開始前3年以内に、その者の3親等内の親族又はその者と特別の関係のある法人が所有する国内にある家屋に居住したことがある者
ロ 相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがある者

上記は、いわゆる“家なき子”の特例に関する規制強化である。
現行税制では、被相続人に配偶者や同居していた相続人がおらず、相続開始前3年以内に自分又は自分の配偶者の所有する家屋に居住したことがないことなどを要件として、被相続人の特定居住用宅地等を相続した場合に330㎡まで80%の評価減が受けられる。

ただし、一部でこの特例を利用して、自宅を親族に売却した上で住み続け、相続時に被相続人の自宅敷地を80%減で相続するといった租税回避行為が見受けられたため、上記の改正が導入される予定である。

貸付事業用宅地等についても、課税強化へ

また、貸付事業用宅地等についても、相続開始直前に更地を駐車場にすることでも、一定面積まで50%減の評価減が受けられるため、課税強化のため下記の改正が行われる。

2.貸付事業用宅地等の範囲から、相続開始前3年以内に貸付事業の用に供された宅地等(相続開始前3年を超えて事業的規模で貸付事業を行っている者が当該貸付事業の用に供しているものを除く。)を除外する。

上記の改正は、平成30年4月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用される。ただし、上記2の改正は、同日前から貸付事業の用に供されている宅地等については適用しない、とされている。

※平成30年度税制改正大綱については、国会を通過するまでは確定事項ではありません。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

相続贈与コラム№29


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