遺言書があっても起こる問題、解決策は?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

相続・贈与

2015.09.07


遺言書を書いても、安心してはいけない?

最近、新聞やマスコミ等でも、相続の話題がよく紹介されています。そのおかげか、「遺言書」についての認知度も高まってきたように思います。書店に行けば、「遺言書キット」なるものも売っています。なんとなく、遺言書を書いておかないといけないな、と思っておられる方も増えているのではないでしょうか。

ただし、「遺言書」は100%の相続対策ではありません。もちろん、ないよりあった方がいいのは言わずもがなですが、残念ながら、「遺言書」があったとしても、トラブルになるケースはあります。

例えば、相続人は妻、長男、次男、長女の4人。遺言書で、その中の長男に銀行預金を全て相続させる、と書いていたとします。

長男は、その遺言書と自分の印鑑を持って、銀行に解約手続きをしに行きます。でも、解約手続はできません。自分が全額相続する、と書いた遺言書があっても、です。妻、次男、長女、他の相続人の全ての印鑑、印鑑証明書などを揃えてください、と言われるケースがほとんどです(金融機関によって、多少異なります)。

不合理なようですが、それが相続手続きです。長男1人が相続する預金の手続きに他の相続人全員の印鑑が必要となるのです。

もともと遺言書の内容に不満を持っていた次男と長女は、これをきっかけに不満を爆発させます。

また、こんなケースもあります。

子供のいない夫婦の場合、夫が先に亡くなれば、相続人は妻と夫の兄弟になります。
夫は妻が困らないようにと、遺言書を書きます。こういう場合、遺言書があるのとないのとでは、大違いです。妻は夫に感謝します。

ただ、ここからが問題です。妻は夫が亡くなったあと、夫の遺言書を持って、あまり面識のない夫の兄弟のところに、話をしに行きます。遺言書の存在を全く知らなかった夫の兄弟は、あまりいい顔をしません。あれやこれやと質問攻めにされ、妻はぐったりして帰ってきます。

その答えは、「遺言執行者」

上記のようなケースを事前に避けようと思うと、どうすればよいでしょうか。

みなさんは、「遺言執行者」という名前を知っていますか?「遺言執行者」は、「相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務」を有している人のことで、「遺言書」の中で指定することができます。

平たく言うと、「遺言書」の中で指定された「遺言執行者」には、遺言の内容を確実に執行するための全権限があります。

もし、前者の預金手続の例で、「遺言執行者」を遺言の中で指定していれば、長男と遺言執行者の印鑑だけで解約手続を進めることができます。他の相続人の印鑑は不要です(金融機関によって、多少異なります)。

後者のケースでも、「遺言執行者」を指定していれば、全ての相続手続は「遺言執行者」が単独で行う権限を持っていますので、夫が亡くなった後の妻にかかる負担を大幅に減らすことができます。もし、夫の兄弟が勝手に財産を処分したとしても、その行為は無効となります。「遺言執行者」を指定することで、遺言書に忠実に手続きを行うことが可能となります。

「遺言執行者」は、親族でも、専門家である第三者でも就任することが可能です。
遺言書を作る時には、「遺言執行者」が必要かどうか、検討してみて下さい。

なお、弊社でも無料相談を行っておりますので、ぜひご相談下さい。
TEL: 0120-516-264(フリーダイヤル)

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№454


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