事業承継なんでそうなるの?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

長男と3度目の絶縁

絶縁を文字通り解釈すれば、縁を絶つことになります。
縁を絶てば、通常はもう出会うことはありません。

それがこの父親と長男の間では、家業という重しのお陰で、2度の復縁が実現しました。
その時にも立ち会いましたが、両者嗚咽をして号泣、父親などは鼻水たらしているのも忘れるくらい感情的になっておられました。

で、今回が3度目の絶縁でした。

包丁のような工具が私の前を通り過ぎて、背中に冷たい汗が流れたのをいまだに覚えています。

投げたのは、父親。
避けたのは、長男。

警察を通り越して、裁判所や刑務所、5秒前でした。

で、登場したのが次男

このままいくと事件になると思い、長年勤めた会社を退職して、東京から大阪に家族を連れて引越してきてくれたのが、40代の次男です。

もう兄貴のことは忘れて、俺が継ぐから安心してと。

またしても、両者嗚咽号泣、父親は鼻水垂れ流し。

で・・・

1年後に次男とも喧嘩。

喧嘩の原因は、「ゴミ箱の設置場所」。
この話はこれ以上掘っても何の教訓も無いので割愛。

よくよく訊くと実は、次男は出戻りでした。

大学出て最初に就職したのが、父親の会社。
その後、うつを発症、幼子は原因不明の病気、嫁は実家へ、そして退職。

※原因不明の病気、事業承継ではよく登場します。

誰が悪いのか?

社長は普段寡黙な方なのですが、熱が入るとついつい「顧客ファースト」を連発。
英語交じりが気に入っているのか口癖です。

顧客の要望を満たすことを絶対と考えるので、結果的に従業員は疲弊します。
そしてその従業員の先頭に立っていたのが、次男であり長男です。

顧客ファーストがそうだとは言いませんが、お客様は神様ですのような言葉は、そもそも少し時代遅れの感じがしますね。

長男とは3度の絶縁、出戻り次男とも喧嘩・・・、なんでこうなるの?

一体、誰が悪いのか?

事業承継はどれも個別ケースだと実感しますが、それでも敢えて多いケースとして白黒つけてみると、「悪いのは父親世代」だと思います。

社長へ、変わってください!

生命の歴史を紐解くまでもなく、生き残っていくためには「変化への対応」が必要です。
環境が必ず変わる中、社長も会社も変わっていかないといけません。

以前はそのやり方で良かったのかもしれませんが、現在のやり方に合わせてください。
以前は阿吽の呼吸で良かったのかもしれませんが、現在は通用しません、言語化してください。

社長、そもそも過去の話を繰り返し過ぎです、しかも何度も同じ話を・・・。

社長へ、変化できないなら自ら去りましょう

変わることが難しかったり出来ないのなら、自ら去りましょう。

カッコ良かった社長のまま、次の人生を歩んでください。
今の場所にしがみついているのは、見ていてカッコ悪いです。
過去に素晴らしい実績があるのですから、別の人生でもまた新たな素晴らしい軌跡を残されることでしょう。

自らを時代に合わせて変化させるか、それが無理なら、自らが自らに引導を渡すかです。
変化に対応できない会社は廃業となってしまいます。
従業員や取引先に迷惑をかけたくないのなら、「変わるか、去るか」です。

後継者はリスペクトを忘れずに、次は貴方の番!

と、ここまで社長に厳しいことを書いてきましたが、実際には、ボンクラ息子や娘がいるケースもあります。

特に目に余るのが、社長である親世代へのリスペクトが足りていないケースです。

ゼロからイチを創られた創業社長はもちろんのこと、2代目や3代目社長も、その長い年月の中で、多くの外部環境や内部環境の変化に耐え忍んでこられたはずです。

更には時に身体を張って会社を守ったり、またある時にはリスクテイクをしてチャンスをつかみ取ったりもされてきたはずです。

どの後継者にも、歴史がありません。

また、どこまでいっても、親世代である社長の歴史を追い越すことはありません。

事業承継において後継者は、親世代である社長やその奥さんなどへのリスペクトを忘れるべきではないでしょう。

そしてそれは自分の為でもあるのです。

もし後継者である貴方が45歳なら、20年後は貴方の番です。

奥さんや娘さんの立ち居振る舞いが事業承継を円滑にする

最近では娘さんが後継者となり上手くいっていることも多いのですが、話をわかりやすくするために、今回は後継者を息子として、娘は事業に関係していないという設定にしています。

折角お父様である社長が後継者である息子に色々経験させてあげようと、それこそ寝食忘れて「あーだこーだ」と準備し思案され悩み不安を感じながら行動されているのに、安易な横やり発言を奥さんや娘さんがされて、台無しになるというケースは事業承継の現場では散見されます。

奥さんや娘さんの存在の耐えられないほど軽い言葉が、火に油を注ぐという感じです。

傍で見ていると、「黙りなさい」と言いたくなります。

事業承継には従業員の雇用や取引先を守るという大義名分がありますから、言い過ぎではありませんので、悪しからず。

逆に、事業の内容なんてわからなくていいので、言葉も不要で、でもきちんと後継者をそして社長をずっとじっくり見守ってあげてください。

社長や後継者から求められた時に、今まできちんと見守ってきたからこそ出てくる言葉を少し投げかけられると、事業承継が円滑に進むことがあります。

言葉ではなく、立ち居振る舞いでそれが表わされれば尚良いですね。

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