税務調査のトップシーズン

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


税務調査のシーズン中

税務署の人事異動は毎年7月に実施され、約3割の調査官が異動になります。
また、2/16~3/15の確定申告時期は、税理士会とのお約束として、税務調査は控えめに実施されます。

ということで、だいたいですが、3~6月、8~12月に税務調査はピークを迎えます。今が、トップシーズンになります。

調査対象となりやすい法人

日本には約270万社の法人企業があり、そのうち、調査対象となるのは約6%の16万社ぐらいです。そのうえ、公務員の数は縮小する傾向にありますので、すべての法人を3~5年毎に調査を実施することは難しいと思われます。

そこで、税務署は「事案に応じたメリハリのある調査」を行っています。
調査に当たって、大口・悪質な納税者に対しては深度ある調査を実施し、資料情報等から見て所得の申告漏れが明らかな場合や計算誤り等により是正が必要な場合は、簡易な接触を行っています。

法人については、税務署は効率的に税務調査を実施するため、3区分に分類しています。

①申告良好法人
②中間法人
③要調査法人


①申告良好法人とは、申告と納税の実績が良好な法人のことです。

②中間法人とは、①と③以外の法人です。

③要調査法人とは、過去に不正計算が多かった法人(前回以前で重加算税の対象となった法人)、取引先の不正に加担した法人、税務署などが指定した重点業種法人などです。

ちなみに、「大阪国税局発表による平成20事務年度の中小法人の調査結果」によると、正発見割合の高い上位10業種は、パチンコ、廃棄物処理、土木工事、金属打抜き・プレス加工、一般土木建築工事、自動車修理、建売・土地売買、不動産仲介、職別土木建築工事、貨物自動車となっています。

また、調査対象となりやすい法人は一般的に次のような法人です。

・売上高の多い法人
・黒字で消費税課税事業者
・急成長した法人
・現金売上の多い法人
・決算書で異常値・経営分析で異常値のあった法人
・同業他社と比べて申告所得が少ない法人
・代表者や関連会社との取引が多い法人
・代表者や会社で大きなお金の動きのあった法人 など

調査対象はどのように選定するのか

税務署は、法人から提出された決算申告書類、法定調書、他社から収集した資料せんなど、税務署内部で作成された「法人税歴表」から調査対象を選定します。「法人税歴表」とは、納税状況、過去の調査結果や指導、経営者個人に関する情報など決算書類に記載されていない法人に関する情報が記載されているものとお考えください。

これらを総合的に勘案して調査対象を選定しますが、「メリハリのある調査」を実施するに当たって、やはり③要調査法人について調査が行われる可能性が高くなります。

また、①申告良好法人に該当していても、調査がないのではなく、調査回数が少なくなる程度です。

「赤字なら調査はない」と思っておられる経営者もいらっしゃいますが、調査は法人税だけではありません。源泉所得税、法定調書単独での調査もありですし、所得に関係のない消費税を重点的に見る方法もあります。

調査は申告納税制度が採っているため、必ずあります。大きなミスをしないためにも、毎月試算表を作成し、余裕を持って決算に取り組んでいただきたいと思います。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№205


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