今年の年末調整は改正多数、事前準備はお早めに

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

(注)顧問先の皆様には本日FAXにて詳細をご案内しています。「年末調整と準備事項のお知らせ」をご覧ください。

年末調整のご準備はお早めに

多くの会社に、税務署から年末調整の書類が届いていることと思います。茶色の封筒で結構分厚め、A4版の大きさの書類です。

経営者や経理担当者にとっては、少し面倒くさいなぁと思われるかもしれませんが、年末調整事務というのは、「事前準備」と「流れ」を理解することが大切です。

ただし、それをご説明する前に、今年は大きな改正項目が盛りだくさんですので、まずそれを先にご説明しておきます。

年末調整に関係する主な改正項目は、以下の4つです。
1.基礎控除の改正
2.給与所得控除に関する改正
3.子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の創設
4.ひとり親控除及び寡婦(寡夫)控除に関する改正

【1.基礎控除の改正】

内容は2つあります。

(1)10万円引上げ
これまでの38万円から48万円に10万円引き上げられました。

(2)所得制限導入
合計所得金額が2,400万円を超えると、基礎控除が削減されていき、2,500万円超で基礎控除は0となります。

【2.給与所得控除に関する改正】

こちらも内容は2つです。

(1)10万円引下げ
上記で基礎控除が10万円引き上げられたことに伴い、給与所得控除の金額は10万円引き下げられました。

(2)所得制限の上限引下げ
これまでは、給与の収入金額が1,000万円で、給与所得控除は上限でしたが、今回の改正で、給与の収入金額の上限が850万円に引き下げられました。これに伴い、給与所得控除の上限は220万円から195万円に引き下げられました。

【3.子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の創設】

給与所得控除の改正で、所得制限の上限が給与収入1,000万円から850万円に引き下げられたことで、このゾーンの給与収入の方は、増税となります。

ただし、年齢23歳未満の扶養親族を有する方や、本人、同一生計配偶者又は扶養親族に特別障害者に該当する方がいる場合には、改正前の所得金額になるように調整されます。それがこの規定です。

該当すれば、給与の収入金額(上限1,000万円)から850万円を控除した金額の10%に相当する金額を、給与所得の金額から控除されます。

【4.ひとり親控除及び寡婦(寡夫)控除に関する改正】

内容は大きく3つです。

(1)所得制限導入
合計所得金額500万円超の方に対する控除は、全て廃止されました。

(2)未婚の方も適用対象に追加
住民票に事実婚の記載がある方を除外した上で、生計を一にする子がいる未婚の方も対象に追加されました。

(3)ひとり親控除と寡婦控除の2グループに再編
<ひとり親控除>
生計を一にする子(所得48万円以下)がいる場合は、死別、離婚、未婚、男女問わず、控除対象となります(所得税35万円、住民税30万円)。
<寡婦控除>
以下の方が控除対象となります(所得税27万円、住民税26万円)。
・配偶者と離婚した女性で扶養親族がいる方
・配偶者と死別した女性

事前準備

では、ここから事前準備と実際の流れをご説明していきます。
事前に準備するものとしては、大きく以下4項目あります。

1、令和3年分(又は令和2年分)扶養控除等申告書
2、令和2年分保険料控除申告書
3、令和2年分基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
4、2020年の給与賞与台帳

1と2と3については、従業員に1枚ずつ配布して、家族構成や生命保険料の支払い状況等を書いてもらうことになります(昨年にマイナンバーを収集していない会社はマイナンバーの記載をしてもらうのも忘れないように)。

3については、今年大きく内容が追加されています。
【基礎控除申告書】
合計所得金額2,500万円以下の方は、記入してください。
【配偶者控除等申告書】
合計所得金額1,000万円以下の方で、配偶者の所得金額が133万円(給与収入で約201万円)以下の場合は、記入してください。
【所得金額調整控除】
給与の収入金額が850万円超の方で、要件に該当する方は記入してください。

4については、今年の1月から現在までの給与+賞与データをご準備下さい。

年末調整の流れ

ここまで出来ると、後は比較的スムーズになります。

税務署から送られてくる書類の1つである「源泉徴収簿」の左側に、各人ごとの1年分給料・賞与額等を記入していきます。

それが出来れば、今度は「源泉徴収簿」の右側に、扶養控除額や生命保険料控除額などを、上記1と2と3の書類に基づいて記入していきます。

そして最終、「年調年税額」を計算します。
これが本来その人が支払うべき年間の所得税額等ということになります。

そこで、「年調年税額」と既に給与天引き済みの「源泉徴収税額」を比較して、
・年調年税額 > 源泉徴収税額 … 差額徴収
・年調年税額 < 源泉徴収税額 … 差額還付(通常こっち)
をそれぞれの従業員ごとに計算します。

例えば、よくある差額還付となれば、12月や1月の給料支給時に、その分上乗せして従業員に支払ってあげることになります。

会社は翌年1/10(納期特例の会社は1/20)の源泉納付で調整

しかしここで終わってしまうと、会社が税金還付分を負担して「会社が損」となってしまいます。

そこで、翌年1/10(納期特例の会社は1/20)に会社が税務署に支払うべき税金の計算をする時に、その税金還付分を減算します(2月精算も可)。

これで、会社は損得なし、となります。

最後は書類を届け出て終わり

後は、書類の届出を1/31までに税務署と市区町村役場におこなって、年末調整はすべて終わりとなります。(弊社ではこの作業を電子申告にて行ないます)

・税務署 → 法定調書合計表及び支払調書
・市区町村役場 → 総括表及び給与支払報告書

かなり簡略化して書きましたが、年末調整の大まかな流れをご理解頂けたでしょうか。

ちなみに、今年家をローン付きで買われた方や医療費控除の適用を受ける予定の方については、年末調整だけではなく「確定申告」が必要となりますので忘れないようにしてください。

※年末調整や確定申告を弊社に代行依頼されることも可能ですので、その場合はお問い合わせページよりご連絡下さいませ。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№717

Copyright all rights reserved By マネーコンシェルジュ税理士法人

その他の最新税務関連ニュース

大阪税理士コラムのカテゴリー一覧

税務情報を「メール通信」「FAX通信」「冊子」でお届け。

中小企業の経営者及び総務経理担当者・相続関係者向けに、「知って得する」「知らないと損する」税務情報を、メルマガ、FAX、冊子の3種類の媒体でお届け。
配信日時などの詳細は下記をクリックしてご確認下さい。
会計事務所の方はご遠慮頂いております。

  • メール通信 ご登録&ご案内
  • FAX通信 ご登録&ご案内
  • 冊子媒体 ご登録&ご案内

今なら初回面談無料!
お気軽にお問い合せください。

0120-516-264受付時間 9:00~17:30(土日祝休)

メールでのお問い合せ

ページトップ