遺伝性乳がん・卵巣がん症候群患者の手術費用は医療費控除の対象
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
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もくじ
大阪国税局が取扱いを文書回答
HBOC(遺伝性乳がん・卵巣がん症候群)とは、特定の遺伝子に生まれつきの病的変異があり、細胞に含まれた遺伝子が傷ついた時にこれを正常に修復する機能が失われているため、乳がん又は卵巣がん(以下、乳がん等)を発症しやすい遺伝性疾患のことである。
しかし、HBOCと確定診断された患者が、がんを発症していない乳房切除手術(手術と併せて乳房再建手術を行う場合を含む)又は両側卵巣卵管切除手術(手術と併せて子宮の摘出手術を行う場合を含む)を受けることにより、乳がん等の発症リスクをほぼ確実に減少させることができるとされている。
ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが予防のために、2013年に両方の乳房、2015年3月には卵巣・卵管の切除を公表し、日本でも広く知れ渡ることになった。
では、この手術費用が所得税法上の医療費控除の対象になるかどうかについて、大阪国税局が2017年11月6日に、「遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)と診断された者が受けた乳房切除手術費用又は両側卵巣卵管切除手術費用に対する医療費控除の適用について」の文書回答を公表したので、ご紹介する。
HBOC患者の乳房切除費用は医療費控除の対象
所得税法上、医師による診断又は治療の対価のうち、その病状に応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額は、医療費として医療費控除の対象となる。また、いわゆる人間ドックその他の健康診断のための費用については、単なる診断だけで治療を伴わないことからその対価は医療費に該当しない。ただし、健康診断の結果、重大な疾病が発見され、かつ、その健康診断に引き続きその疾病の治療を行った場合は、医療費に該当するものと取り扱われている。
この考え方を先述の手術についてみると、HBOCと確定診断された患者において乳がん等の発症リスクが高いことから行われるものであり、乳がん等の発症リスクが低減されることになる。したがって、これらの手術は、HBOCの治療の一環として行われていると認められることから、その費用については、医療費控除の対象として差し支えないとされた(この場合、HBOC検査費用も対象となる)。
ただし、HBOC検査を行った結果、HBOCと診断されなかった場合、あるいは先述の手術を行わなかった場合の検査費用は、予防のための人間ドッグ費用と同様、医療費控除の対象外となるため、ご注意いただきたい。
税務ニュース№488
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