10月から税務調査が変更になりました

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


平成23年度税制改正にて決定

平成23年12月に国税通則法等が50年ぶりに改正されて、調査手続の透明性及び納税者の予見可能性を高める観点などから、税務調査手続等を法律上明確化するなどの措置が行われました。

この改正により法定化された税務調査手続等については、原則として、平成25年1月1日以後に開始する税務調査から適用されることになります。

しかし、改正趣旨を踏まえて、税務調査手続等を円滑かつ適切に実施する観点から、「平成24年10月1日以後に開始する調査」から以下2点「事前通知」及び「修正申告等の勧奨の際の教示文の交付」については、「先行的に取り組む」こととされました。

事前通知が明確化

実地の調査を行う場合には、原則として、あらかじめ電話等により、納税義務者や税理士と調査開始日時について日程調整をした上で、「法定化された事前通知事項」を納税義務者と税理士の双方に通知することとします。

「法定化された事前通知事項」
1.実地の調査を行う旨
2.調査開始日時
3.調査開始場所
4.調査の目的
5.調査の対象となる税目
6.調査の対象となる期間
7.調査の対象となる帳簿書類その他の物件
8.調査の相手方である納税義務者の氏名及び住所又は居所
9.調査を行う職員の氏名及び所属官署
※職員が複数であるときは、代表する者の氏名及び所属官署
10.調査開始日時又は調査開始場所の変更に関する事項
11.事前通知事項以外の事項について非違が疑われることとなった場合には、その事項に関し調査を行うことができる旨

この場合において、納税義務者から事前通知事項については、税理士を通じて通知を受けることで差し支えないと申立てがあった場合は、納税義務者に対しては「実地の調査を行う旨」のみを通知します。

なお、平成24年10月1日以後に開始する実地の調査について、平成24年9月30日以前に事前通知する場合の事前通知手続は、現行手続に基づき実施します。
(10/3に弊社顧問先における税務調査の連絡が実際ありましたが、まさにこの改正事項を踏まえて、いつも以上に丁寧な連絡でした。)

修正申告等の勧奨の際の教示文の交付

修正申告等の勧奨に当たっては、納税義務者や税理士に対して、「不服申立てをすることはできないが更正の請求をすることはできる旨」を説明するとともに、その旨を記載した書面を交付します。

影響と対策

平成24年10月から先行的取り組みとされた以上2点については、おおまかには現行の実務を踏襲(とうしゅう)したものとなっていますので、これによって大きく税務調査の現場が変わる、ということはないと思われます。

ただし、これから税務調査の連絡があるような場合で、上記の事前通知事項が不備であったような場合には、その後の税務調査時における駆け引きや交渉において色々と有利に運べるかもしれません。

また、今既に税務調査を受けている途中という場合では、今回の2点の改正そのものは直接影響しないかもしれませんが、次回以後に解説する予定の平成25年1月1日以後に適用される最新情報を入手しておくことは有用です。
例えば、来年適用される改正事項には、「帳簿書類の預かりに対する預り証発行」や「不利益処分などを行う際の処分理由の記載」、「事前通知をしない場合の例示」などがあります。

これらが実際適用されるのは来年でも、現在の調査案件がケースによっては来年まで結論が出ず直接改正の影響が生じることもあるでしょうし、そうでなくても、先行的取組などを例に出し善処を求めるなど交渉材料になるかもしれません。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№305


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