「奨学金返還支援制度」で若手人材に選ばれる企業へ

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

奨学金利用の現状

2025年、初めて大学入学希望者総数が入学定員総数を下回る、「大学全入時代」となりました。

その裏で奨学金に頼る学生は増え続けており、大学昼間部の奨学金利用率は1996年の21.2%から、2022年には55.0%へと大きく上昇。
今や2人に1人以上が奨学金を借りて進学しています。

そのため、卒業後の奨学金の返済を「苦しい」と感じる人が44.5%を占めています。そして、社会に出ても十分な給与が得られず、返済に苦しむ若者が少なくありません。

奨学金返還支援制度

こうした背景を踏まえ、若手人材の確保と定着を目的として、企業が従業員の奨学金返還を支援する「奨学金返還支援制度」が注目されています。

この制度では、企業が従業員に代わり、奨学金の一部または全額を返済する仕組みです。
2024年10月末時点で、全国で2,587社以上が導入しており、フジテックや大東建託などの大手企業でも昨年から導入が始まっています。

奨学金返還支援制度を導入するメリット

1.若手人材の採用力向上
奨学金返還に悩む学生や若手社会人にとって、企業の支援は大きな魅力となります。
特に新卒採用において、他社との差別化につながり、優秀な人材の確保に有利です。

2.従業員の定着率向上
返還支援が継続的な福利厚生として機能することで、従業員の経済的負担が軽減され、企業への愛着やコミットメントにつながります。結果として早期離職の防止が期待できます。

3.社会的評価・企業イメージの向上
若者支援や教育投資に積極的な企業として、社会的評価が高まります。
また、導入企業は掲載依頼すると、日本学生支援機構のHPで社名や支援目的を掲載することができます。

節税にもなる奨学金返還支援制度

奨学金返還支援制度を利用する場合は以下の通り、企業・従業員双方に税金面でのメリットがあります。

1,【 法人税 】(企業側)
支給した奨学金返還支援金は経費として損金算入が可能です。
また、「賃上げ促進税制」の対象となる給与等の支給額にも該当することから、一定の要件を満たす場合には、法人税の税額控除の適用をうけることができます。

2.【 社会保険料 】(企業・従業員双方)
奨学金の返済を企業が直接支援する場合、その支援額は従業員の給与として扱われないため、企業・従業員ともに社会保険料のコスト削減につながります。
(ただし、給与規定等により給与に代えて奨学金返還を行う場合は社会保険料の対象に含まれます。)

3.【 所得税 】(従業員側)
企業が日本学生支援機構(JASSO)等に対して 従業員の奨学金を直接返還する場合、一定の要件を満たす場合に限り、所得税は課税されません。

自治体支援のご紹介

奨学金返還支援制度は、企業単独での導入だけでなく、自治体からの補助金制度を活用することで、費用負担を抑えながら実施することも可能です。一例をご紹介します。

〇東京都中小企業人材確保のための奨学金返還支援事業(公益財団法人東京しごと財団)
奨学金返還支援制度を導入した中小企業に対し、年額5~25万を東京都が負担。

〇大阪府→大阪府奨学金返還支援制度導入促進支援金 
中小企業が、従業員に奨学金返還支援制度(手当支給型または代理返還)を導入した場合に、最大50万円の支援金を交付

〇兵庫県→兵庫型奨学金返済支援制度(県内企業人材確保支援事業)
県内中小企業が導入する奨学金返済支援制度(代理返還含む)に対し、従業員1人あたり最長17年、支援額の一部を補助

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

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