生命保険に加入する時は契約形態に注意!

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

相続・贈与

2007.07.17


以前にこんなことがありました

だんなさんが亡くなられたということで、その奥さんと息子さんが、相続税の相談に事務所に来訪されました。
そこで、相続財産をヒアリングして基礎控除額以下であろうと推測出来たので、相続税はかからないでしょうとお伝えしました。

最後に、だんなさんが加入していた生命保険証券を見せてもらいました。
そしてその加入形態をみて、私は目がとまりました。

そのときの再現

私「え!?確か、亡くなられただんなさんのお名前は、一朗さんですよね。」

奥さん「ええ、そうですよ。」

私「それでは、この保険契約者になっている次郎さんというのはどなたですか?」

息子さん「あ、それは私ですが」

私「え?そうなんですか。ということは、この保険の保険料は誰が払っていましたか?」

息子さん「私です。今から5年ほど前に父が病に倒れたんです。すぐに回復したんですが、そのあと、私が父を被保険者として、加入したんです。ずっと私が保険料を払ってきましたが、何か?」

私「ということは、この保険は、保険契約者(=保険料負担者)が息子さんである次郎さんで、被保険者が亡くなられた一朗さん、そして保険金受取人が奥さんということになりますね。この保険は、『相続税』の対象ではなくて『贈与税』の対象となります。つまり、保険料負担者である息子の次郎さんから奥さんへの保険金贈与ということになりますね。」

奥さん「相続税ではなくて贈与税の対象ということは、もしかして税金がかかってくるのですか!?」

私「そうですね・・・。」

生命保険に加入する時は契約形態に注意!

生命保険に加入するときは、その契約形態(契約者、被保険者、受取人)に注意してください。

保険の契約形態と税務上の取り扱いについて以下にまとめました。

<保険の契約形態>

契約者 被保険者 受取人 税務上の取り扱い
相続人 相続税(非課税規定あり)
相続人以外 相続税(非課税規定なし)
所得税(一時所得)
贈与税←今回のケース

節税の観点から相続税課税がいいのか所得税課税(一時所得)がいいのかはケースバイケースですが、多くの場合で贈与税課税は不利となるでしょう。

今回の場合でも、「契約者=息子、被保険者=だんな、保険金受取人=奥さん」という契約形態であったため、保険料を負担していた息子さんから保険金を受け取った奥さんへの贈与となり、贈与税課税の対象となってしまったのです。

それを、保険料負担者である契約者を息子さんではなく夫にすることが出来ていたら、奥さんが受け取った保険金は相続税の課税対象となり、今回のケースであれば、税金は発生しませんでした。

マネーコンシェルジュ税理士法人では、こういったご相談もお受けしていますので、お気軽にお声掛け下さいね。

Ps.今月の「ニッセイ経営情報8月号」にも保険と税金について記事を書きました。
●税金も考慮して保険金額を設定する
http://www.money-c.com/masukomi/keieijouhou/2007.8.htm
お手元にある方はご覧下さい。

この話が少しでも経営者の皆様のお役に立てれば幸いです。

メール通信№38


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