経済対策、重点事項発表へ

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


経済対策、「新たな資本主義実現会議」が重点事項を公表

10月中に、新たに経済対策が発表される見通しとなってきました。今後、補正予算案を編成して、秋の臨時国会に提出する方針のようです。

9月27日に、政府が主催する「新たな資本主義実現会議」において、「新しい資本主義の推進についての重点事項」が公表されました。これが、10月の経済対策の柱となります。

「新しい資本主義の推進についての重点事項」 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai22/juutenjikou_set.pdf

経済対策については、以下の点を中心に立案する、とされています。
1.足元の急激な物価高から国民生活を守るための対策
2. 地方・中堅中小企業等を含めた持続的賃上げ、所得向上の実現
3.成長力の強化・高度化に資する国内投資促進
4.人口減少を乗り越え、変化を力にする社会変革の起動・推進
5.地方の成長を図る国土強靭化など国民の安全・安心の確保

賃上げ税制、設備投資、補助金、経営者保証不要

今回は、この中で特に中小企業に影響がありそうな2の項目から抜粋して紹介します。
まず、減税措置については、別枠で以下のような記載があります。

〇 中小企業等についての賃上げ税制について、繰越控除・措置の期限の在り方等減税措置の強化を検討する。

一定の賃上げをした中小企業については、増加額の一定割合の税額控除を受けられる優遇税制がありますが、この税制は、来年3月末で期限切れとなりますので、その期限が延長される方向です。

また、この税制は税額控除ですので、赤字の企業には恩恵はなく、また控除枠の翌年度への繰越もないため、その点についての改正が検討されているようです。これは8月末に経済産業省が財務省に提出した令和6年度税制改正要望の中にも盛り込まれていました。

「減税の具体的措置については、今後の税制改正検討過程において検討する」とされています。

次に、予算その他の措置として、計15項目が挙げられています。
そのうち、特に重要と思われるものを以下、抜粋します。

〇 「年収の壁」を乗り越えるための支援を新たな最低賃金が動き出す来月から実施するとともに、正しい制度理解、認識の周知を図る。

〇 中小・小規模企業の賃金引上げ及び人手不足解消のため、省人化(人手不足解消)・省力化(高いエネルギーコストの節約)投資への簡易で、即効性がある支援措置を実施する。

〇 地方においても賃上げが可能となるよう、中小・中堅企業が工場等の拠点を新設する場合、又は、大規模な設備投資を図る場合について、支援措置を実施する。

〇 最低賃金の継続的な引上げのため、事業再構築や業務改善等の中小・小規模企業向けの支援措置を充実する。

〇 保証料の上乗せ負担とこれに対する支援措置の検討を含め、経営者保証を不要とする信用保証制度の創設を、年度内に前倒しして実施する。

これを見ると、設備投資に関する支援策、賃上げした企業への事業再構築補助金などの補助金拡充などの可能性があります。

経営者保証不要の信用保証制度の前倒しも気になるところです。

(「年収の壁」については、既に厚生労働省から支援策についての公表がありましたが、今回は割愛します。)

特例承継計画、申請期限延長を検討

なお、3の項目になるのですが、事業承継税制に関する重要な記載が含まれています。

〇 企業の参入・退出を促進するため、親族や長く勤めた従業員が事業を承継する場合の事業承継税制について、減税措置に係る特例承継計画の申請期限の延長等を検討する。

事業承継税制は、要件に当てはまれば、非上場株式に関する贈与税や相続税が猶予免除になる制度ですが、適用を受けるためには、特例承継計画を2024年3月末までに提出する必要があります。

この申請期限の延長が検討されているようです。

これらの内容については、最終決定ではありません。
今後の状況によっては変更になる可能性もありますので、今後の動向を注視していきましょう。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№867


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