経営者が見るべき試算表のココ
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
もくじ
経営者目線での試算表活用
試算表と言うと、一般的には、月次ベースでの「損益計算書」と「貸借対照表」になります。
損益計算書は、1年間(又は月累計)の経営実績をあらわしています。
つまり、1年間(又は月累計)のフローとしての売上高や利益がわかります。
一方、貸借対照表は、創業から現在までの残高としての財務状態をあらわしています。
つまり、創業から現在までのストックとしての資産や負債がわかります。
試算表の数字は、そのままでは意味を見出しにくいものです。
数字は、「比較」と「趨勢」で浮かび上がることが多いです。
試算表は、なるべく、「月次推移」や「前期又は3期又は5期比較」で印刷するようにしましょう。
損益計算書はココ!
損益計算書での利益はおおまかには5つありますが、経営者が重要視すべきは、「営業利益」です。
営業利益は、売上から原価及び人件費・家賃などの各種経費を差し引いた、いわゆる「本業での儲け」をあらわします。
まずはここでしっかりと利益を確保できていないと、いずれ会社の資金繰りに支障をきたすでしょう。
わずかな利益でも、来期以後の健全な設備投資が出来なくなるでしょう。
営業利益を前月や前期、前々期と比較して、その良し悪しを判断するのもいいでしょうが、一般的な目標とすべき営業利益の目安を知っておいてください。
それは、「目標営業利益=売上総利益×20%」。
業種業態や規模感によって多少異なるでしょうが、お伝えしておきます。
貸借対照表はココ!
貸借対照表の構造は、左側に「資産」、右側に「負債」と「純資産(自己資本)」となっています。
算式としては、「資産-負債=純資産」です。
20期目の会社であれば、過去において黒字もあれば赤字もあったでしょうが、その結果として、資産と負債に残高が表示され、その差額である「純資産」でその会社の創業期からの集大成が表示されます。
つまり、貸借対照表の純資産は、1年間(又は月累計)の経営成績「しか」示さない損益計算書よりも、大事です。
銀行やM&Aの目線でも、まず最初に確認されるのは、貸借対照表の「純資産」です。
ここが赤字なら、いわゆる債務超過会社となり、銀行融資なども難しくなります。
ここが黒字でもその黒字が総資産に対して低ければ、その後の健全な事業継続が難しいかもしれません。
そこで、一般的な目標とすべき純資産(自己資本)の目安ですが、総資産に対する割合(自己資本÷総資産)として、「目標自己資本比率=40%以上」となります。
参考にしてみてください。
(注)中小企業にありがちなのですが、普通に計算すると、自己資本比率が低いのですが、実質返済不要の社長借入金がある場合には、それも自己資本にカウントして再計算してみてください。
この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
メール通信№579
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