今年の税制改正の目玉は、≪節税封じ!≫~海外不動産

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

海外不動産を使った節税策とは?

例えば、アメリカ等にある海外不動産を購入すると、日本と比較して、土地の値段が低く建物の値段が高い場合が多いです。
また、建物について、日本と比べると長期間にわたって価値が減じず、長く使用されることが多いです。

一方、日本の税法では、建物の種類等ごとに法定耐用年数を定めていて、例えば、築25年の木造建物であると、耐用年数は4年となり、減価償却を通じて早期に費用化が可能となります。
これは、日本の建物だけではなくアメリカの建物でも同様の計算となります。

そのため、高収入で高額の所得税を負担されている方が、不動産投資として海外不動産を購入されると、結果として、多額の減価償却の影響から不動産所得で大きなマイナスが生じ、そのマイナスを給与収入等と損益通算して、多額の所得税の還付が可能となっています。

ちなみに、個人の不動産売却の税率が約2割という低率であることも、海外不動産を使った節税をよりメリットの大きなものとしています。

節税封じ

そこで、令和2年度(2020年度)税制改正大綱では、「個人が、令和3年以後の各年において、国外中古建物から生ずる不動産所得を有する場合においてその年分の不動産所得の金額の計算上国外不動産所得の損失の金額があるときは、その国外不動産所得の損失の金額のうち国外中古建物の償却費に相当する部分の金額は、損益通算等の規定の適用については、生じなかったものとみなす。」となりました。

規制の対象は、法人ではなく個人となっていて、更に大綱の注書きを読むと、「国外中古建物どうしの損益通算は可能ですが、国外中古建物と国内中古建物の損益通算も不可」となっています。

またこの規定の適用時期は、令和3年以後となっていて、少し先に感じるかもしれませんが、既存の国外中古建物にも適用される可能性が高いですのでご留意ください。

令和2年度税制改正大綱より抜粋(原文)

国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例を次のとおり創設する。

(1)個人が、令和3年以後の各年において、国外中古建物から生ずる不動産所得を有する場合においてその年分の不動産所得の金額の計算上国外不動産所得の損失の金額があるときは、その国外不動産所得の損失の金額のうち国外中古建物の償却費に相当する部分の金額は、所得税に関する法令の規定の適用については、生じなかったものとみなす。

(注1)上記の「国外中古建物」とは、個人において使用され、又は法人において事業の用に供された国外にある建物であって、個人が取得をしてこれをその個人の不動産所得を生ずべき業務の用に供したもののうち、不動産所得の金額の計算上その建物の償却費として必要経費に算入する金額を計算する際の耐用年数を次の方法により算定しているものをいう。

1、法定耐用年数の全部を経過した資産についてその法定耐用年数の20%に相当する年数を耐用年数とする方法

2.法定耐用年数の一部を経過した資産についてその資産の法定耐用年数から経過年数を控除した年数に、経過年数の20%に相当する年数を加算した年数を耐用年数とする方法

3.その用に供した時以後の使用可能期間の年数を耐用年数とする方法(その耐用年数を国外中古建物の所在地国の法令における耐用年数としている旨を明らかにする書類その他のその使用可能期間の年数が適切であることを証する一定の書類の添付がある場合を除く。)

(注2)上記の「国外不動産所得の損失の金額」とは、不動産所得の金額の計算上生じた国外中古建物の貸付けによる損失の金額(その国外中古建物以外の国外にある不動産等から生ずる不動産所得の金額がある場合には、当該損失の金額を当該国外にある不動産等から生ずる不動産所得の金額の計算上控除してもなお控除しきれない金額)をいう。

(2)上記(1)の適用を受けた国外中古建物を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算上、その取得費から控除することとされる償却費の額の累計額からは、上記(1)によりなかったものとみなされた償却費に相当する部分の金額を除くこととすることその他の所要の措置を講ずる。

注)今回の内容は国会を通過するまでは正式な確定事項ではありませんので、ご留意ください。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№676

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