資料箋と税務調査

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


税務署から封筒が届いてませんか?

最近、会社宛に税務署から変な封筒が届いた、ということはありませんか。

決算でもないし、今頃税務署から送ってこられるようなものはないはず、とちょっと不安になる方もおられるかもしれませんが、実は今、税務署は資料箋というものを一斉に送っています。

では、この”資料箋”というのは一体何なのでしょうか。

それは税務調査と関係があります。

税務署は、税務調査の基礎資料として、いろいろな形で調査のきっかけとなる資料を収集しています。

実際に税務調査を行った際にその会社でコピーした請求書、メモした取引先の住所、登記簿謄本からの情報、会社から提出される源泉徴収票、法定調書、支払調書、法人決算で提出される事業概況説明書、マスコミ等からの情報、内部告発やタレこみ、などなど。

資料箋の正体

その中の1つがこの資料箋です。

税務調査の基礎資料とするために、取引先の名称、取引金額等を集計して提出して下さい、という書類です。

集計項目は、売上、仕入、外注費、交際費、修繕費、仲介手数料などの項目がありますが、その中のいくつかの項目が税務署によってあらかじめ指定されています。その項目について、何月から何月までに、何万円以上取引のあった取引先について集計して下さい、というようになっています。集計先は、個人、法人全てという場合もありますし、個人のみ、法人のみと指定される場合もあります。

収集する目的は、上記の通り、税務調査の足掛かりとするためです。

実はこの7月というのは、税務署の新年度が始まる月です。
例年7/10頃に税務署員の人事異動が発表されます。しばらくはその引き継ぎ等で税務署も忙しいのでしょうが、それが一段落するとやがて税務署は一斉に税務調査に向けて動き出します。この時期の資料箋というのは、その前哨戦という意味合いもあります。

提出は一応任意ですが・・・

例えば、A社からB社に100万円の外注費を支払ったとします。

A社はそれを資料箋に記載して税務署に提出します。それを受け取った税務署は後日、B社に税務調査に行く際に、A社からの資料箋通り、B社で売上が計上されているかどうかを確認するわけです。

資料箋は、全ての会社に送られているわけではありません。税務署が選んだ会社にのみ送られています。ただ、資料箋が送られてきたからといって、別に税務署に目を付けられている、ということではありません。資料箋を送ってきたからといって、すぐに税務調査に入られるわけでもありません。あくまで資料収集の一環だと思って下さい。

この資料箋は、提出が強制される書類ではなく、一応任意でのお願いベースの書類という位置付けです。ただし、提出せずに放置しておくと、税務署から電話がかかってくることが多く、やんわりと提出をお願いされます。会社側としては、集計に時間もかかり、面倒くさい、と思われるかもしれませんが、税務行政に協力的な姿勢を見せておくことは、税務署に対する心象を損ねないという意味でも大事なことですので、提出するようにして下さい。

このお話が少しでも経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№138


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