赤字会社にも税務調査はやってくる

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


税務調査の実施状況

平成19事務年度において、法人数は約300万法人で、そのうち調査を実施した法人が約14.7万件あったそうです。実に、法人全体の約5%について実地調査が行われたことになります。

さらに、調査により申告漏れが発覚した件数は約10.9万件で、約4件に3件は申告漏れを指摘されたわけです。

赤字法人への調査はというと・・・

「うちはずっと赤字だから、調査なんてこないよ・・・」というのは、間違いです。法人全体への調査件数 約14.7万件のうち、赤字法人への調査が約4.6万件で、全体の約3割が赤字法人への調査ということになります。

「赤字法人に調査きて税金、とれるの?」と思われるかもしれませんが、調査により約6件に1件は赤字から黒字に転換しています。
なお、赤字法人は繰越欠損金を抱えていますので、法人税では追加税金は発生しないかも知れませんが、消費税・源泉所得税・印紙税の追加税金は大いにありえます。

ちなみに、消費税の調査件数は約13.9万件。法人全体への調査件数が約14.7万件からして、調査対象の約95%が消費税の課税事業者であることがわかります。

消費税は赤字・黒字関係なし

消費税の計算方法には、原則課税と簡易課税があります。

簡易課税については、2年前の課税売上高が5,000万円以下の事業者しか適用できません。納税額を売上高のみから計算していきますので、原則必ず納税になります。業種区分の判断が税額を決定します。

一方の原則課税ですが、実際に(預った消費税-支払った消費税)の差額を納付しますので、納税だけでなく還付ということもあります。
一つ一つの取引について課税区分を判断していきます。特に固定資産の売却や下取りがあった場合に、消費税の対象とすること自体を忘れてしまいがちです。(簡易課税も同様)

また、課税売上割合が95%未満の場合は、個別対応方式と一括比例方式のいずれか有利なほうを選択できます。個別対応方式を選択した場合は、課税売上のみに対応する課税仕入、非課税売上に対応する課税仕入、共通対応の課税仕入に区分されているかも重要となります。

源泉所得税は実態で、印紙税は契約書で判断

源泉所得税で問題となるのが、人件費について「請負」となるか「雇用」となるかです。

「請負」の場合は、消費税課税で源泉所得税対象外、「雇用」の場合は消費税不課税で源泉所得税対象となります。このあたりは、契約書の存在も有効でしょうが、やはり実態で判断ということになります。

印紙税については、課税文書に該当すれば印紙税が必要です。調査連絡があったら契約書関係は事前に確認しておくといいでしょう。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№179


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