教えて!個人型確定拠出年金ってどこが得なの?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


個人型確定拠出年金とは?

「確定拠出年金」とは、公的年金に上乗せして給付を受ける私的年金(3階部分)のひとつです。基礎年金(1階部分)、厚生年金(2階部分)と組み合わせることで、より豊かな老後生活を実現することが可能となります。

確定拠出年金の仕組みは、掛金を定めて事業主や加入者が拠出し、加入者自らが運用し、掛金とその運用益との合計額をもとに給付額が決定されるというもので、事業主が実施する「企業型確定拠出年金」と、個人で加入する「個人型確定拠出年金」があります。

「企業型確定拠出年金」はどちらかというと大企業向けかもしれません。一方の今回ご紹介する「個人型確定拠出年金」の加入者は、今のところ自営業者などに限られています。

しかし、平成29年1月からは企業年金を実施している企業に勤めている人や専業主婦、公務員を含め、基本的に60歳未満の全ての人が加入できるようになります。

「個人型確定拠出年金」をさらに広めるため、「iDeCo(イデコ)」という愛称が付けられました。

iDeCoのメリット

iDeCoには、3つの税制優遇措置が用意されています。

1.掛金が全額控除されます。
国民年金基金との合算枠となりますが、自営業者等は年額81.6万円(月額6.8万円)まで、企業年金等加入していていない人は年額27.6万円(月額2.3万円)まで掛けることができます。
例えば、毎月2万円ずつ拠出した場合、所得税率を20%とすると【2万円×12か月×20%=4.8万円/年間】の節税効果となります。


2.運用益も非課税で再投資されます。
通常、金融商品の運用益には税金(源泉分離課税20.315%)がかかりますが、iDeCoの運用益は非課税です(積立金には別途1.173%の特別法人税がかかりますが、現在まで課税が凍結されています)。

3.受け取るときも税制優遇措置があります。
iDeCoの老齢給付金を一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」という大きな控除が受けられます。

このようなメリットがある一方、当然留意すべき点もあります。

iDeCoの留意点

iDeCoに加入するに当たっては、3つの留意すべき点があります。

1.運用は加入者自身が行います。
積立金の運用は加入者自身の責任で行い、受取額は運用成績により変動する仕組みです。運用商品の中には、元本保証のない商品もあります。

2.中途での引き出しに制限があります。
原則60歳まで引き出すことができません(掛金の額は原則年に一度変更することができます)。

3.口座管理手数料などがかかります。
加入時の手数料や口座管理費などの各種手数料がかかります。

来年から対象者が拡大

平成29年1月からは、専業主婦等も加入することができます。

専業主婦等の場合で年額27.6万円(月額2.3万円)、企業年金等に加入している人や公務員・私学共済加入の人は年額24万円(月額2万円)または年額14.4万円(月額1.2万円)まで掛けることができます。

掛金の全額控除は、税率が高い人ほど節税メリットを享受できます。

しかし、加入に当たっては、メリットと留意点をよく理解した上でご検討願います。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№512


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