サンフランシスコ・シリコンバレー便り-続編

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


前回「サンフランシスコ・シリコンバレー便り」からの続きです。

スタートアップワールドカップってご存知ですか?

2017年3月24日に、サンフランシスコのホテルマリオット・マーキースにて、「スタートアップワールドカップ」が開催されました。

ワールドカップというだけあって、昨年に世界12カ国で予選が行われました。今回本選に出場できたのは、予選大会を勝ち上がった世界各地からのスタートアップ企業15社でした。

日本代表は、名古屋の土岐社長率いるユニファ。

https://unifa-e.com/


ユニファは、保育園向けに提供するIoTサービスで世界展開を目指されています。
例えば、子供の写真やその日の体温などを、インターネットなどを使って、親へフィードバックしてあげるようなサービスです。

戦い方は、ピッチ(短い時間でのプレゼン)で、約5分のプレゼンを英語で行って、7人の審査員から質問が約2分あり受け答えする、というものです。

他の企業は?

全部で15社が予選を突破し、サンフランシスコに来ることができたのですが、例えば、下記のような会社がありました。

アメリカ(ボストン)
スマートプレート お皿に乗せた食品の成分分析等

オーストラリア
アップライズ 従業員向け精神ケアサービス

台湾
ジャービッシュ スマートヘルメットで前を見ながら電話可能

ルクセンブルク
Digitsole 靴底IoT

アメリカ(テキサス)
3DプリンタOS 3Dプリンタのプラットフォーム(OS)

イギリス
オープンバイオニクス 義手義足製作でコスト削減やデザイン性にこだわり

南アフリカ
delvv.io マーケティングなどのプラットフォーム

会場でのピッチの様子
http://www.money-c.com/kr/sf/worldcup.jpg

優勝は・・・?

午前9時から始まって、終わったのが19時ぐらいだったのですが、最終的に賞金100万ドル(約1億円)を手にしたのは・・・

日本代表ユニファでした!
おめでとうございます。

日本代表ユニファのアンバサダーがホリエモンだったので、
写真はこんな感じになります(写真右端は主催者のアニス・ウッザマン)。
http://www.money-c.com/kr/sf/unifa.jpg

ちなみにですが、下の髭のおじさんは、知る人ぞ知る、ある意味スティーブジョブズより有名な、なんとあのアップルPCを実際に作ったスティーブ・ウォズニアック(通称:ウォズ)です。
近くにいましたので、一応、ウォズって呼んでみました。笑
http://www.money-c.com/kr/sf/woz.jpg

サンフランシスコ・シリコンバレー支店は有りか無しか?

では、現実の日本の中小企業で、サンフランシスコ・シリコンバレーに、支店を置いたり会社を作ったりすることは、一般論として、効果的といえるでしょうか?

あくまで一般論ですが、人件費と家賃がべら棒に高いことを考えると、中小企業がこちらにビジネス拠点を設けるのは困難だと思われます。

人件費は、IT系人材を中心にですが、初任給年収1,200万円~です。
また、通常の1ベットで家賃は月40万円です。
とはいえ、スーパーやレストラン、タクシー含めた公共交通機関の料金は、日本とほぼ同じと考えていいでしょう。

人件費と家賃だけがとても高くなっているのが、サンフランシスコの特徴と
なっています。

(注)あくまで一般論と書いたのは、実際こちらで日本ベンチャー起業家とお会いしてランチをしたのですが、その会社はこちらに支店を設置されました。
目的などを聞くと、それも有りだなと思った次第です。

一方で、サンフランシスコ・シリコンバレーは、世界一競争の激しい場所ともいえます。

つまり、競争の中でドロップアウトせざるを得ない企業や人も多数いるということです。
「そういった部分」が実は狙い目かもしれません・・・。

人のつながり、が大事

また、こちらで成功しようと考えると、間違いなく大事なのは「人のつながり」です。

そういった意味では、2、3年で日本に帰るぐらいの気持ちでは、まず人脈ができないので、やめておいたほうがいいのかもしれません。
費用対効果が合いません。

日曜日は家でみんなを呼んでバーベキューをしたり、妻や子供同士のつながりなども時に必要です。

ちょっとわからないことがあったら連絡しあえて相談できる、時にはギブアンドギブの付き合いをする、などを何度もやり取りすることが大事です。

これは、日本のビジネス環境と同じと思います。

楽天の三木谷さんなんかが、こちらに自宅を所有している理由がわかります。
きちんと、どっしり尻を落ち着かせて、自然に、こちらの生態系に入り込まないと、面白い話が自分のところにやってくることはないのでしょう。

でもそうすると、マーケットは常に世界(ここは大事なところで、逆にそうでない小ぶりなものは、いくら今儲けていても敬遠されたりします)ですので、超ビッグビジネスになったりするのだと思います。

ちなみに、こちらにいる日本人はとても少なくて5万人ほどといわれています。
サンフランシスコの現在の市長が中国系であることや、大学内に韓国人が多数いることと比較すると、びっくりするぐらい日本人、特に起業家としての日本人は少ない印象です。

日本人は少ないけど、日本食や日本文化は、これまたびっくりするぐらい日常と化すほど浸透しています。

サンフランシスコやサンノゼ(特に!)などカリフォルニアには、明治時代に日本からの集団移民が開始されたことが影響していて歴史も古く、ジャパンタウンなどが日常に溶け込んでいます。

自由で寛容な町

サンフランシスコの一番の印象は?といわれると、「自由で寛容」です。
その象徴が、UCバークレーのようにも思います。

車椅子の方でも通れるように、歩道の段差をなくすカーブカットと言われるものを全米で最初に導入したのも、この地です。
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また、話すことが困難な方でも電話できるように、下からキーボードが出てくる公衆電話機もありました。
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また、性に対しても全米一寛容な町です。
LGBTを象徴するレインボーフラッグが町のあちこちにありました。

映画にもなった有名なゲイの政治家ハーヴェイ・ミルクも、ここです。

https://www.amazon.co.jp/dp/B00006S25Q


元々カリフォルア州の南部はメキシコだったこともあり、メキシコ人はイリーガルかどうかは別として、間違いなく多数サンフランシスコにいます。それを証拠に、メキシコ料理屋さんが多数ありました。

カリフォルニア州は移民の町ともいえます。
そういえば、ヒッピーの発祥もここですね。
ロックシンガーのジャニスジョプリンも住んでました。

サンフランシスコのイメージは、やはり、「自由で寛容」ですね。

時代が時代だけに、こんな怖い段ボール書きも・・・。
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最後になりますが、すべてを含めて、やっぱり日本が良いなとも思いました。

コンビニの数、レストランのホスピタリティ、夜間の安全性、エンタメ、食事。
だから、この居心地の良い日本を離れてまで、向こうで一発当てたろ的なパワーが産まれないのかもしれませんね。

≪どうでもいいことかもしれませんが、コンビニ等では23時以後お酒の販売は禁止です。食事はどれも大変おいしかったのですが(〇〇フュージョンもいいですが)、日本で食べられないものはありませんでした。≫

あと、やたらと「ヨガ」が流行っていたのと、セレブ女性の「レギンス」率が高かったので、間違いなく今年あたりからヨガとレギンス(高級レストランでも通用するという所が日本のイメージと異なるかと思います。実際、マリオットホテルで行われた上記のワールドカップの司会者の女性もレギンスにハイヒール!)が日本でも流行するのだろうと思います。

また、ビジネス視点では、「パーソナルモビリティ」(セブウェイポロなど)は、間違いなく次のトレンドですね。

※生活に溶け込み過ぎて書くのを忘れていましたが、サンフランシスコではタクシーといえばウーバーが主流です。厳密には、ウーバーと日本未到来のリフトで安いほうに乗るというのが、ビジネスマンも学生も年配の方も日常です。サンフランシスコに行くときは、ウーバーアプリをスマホに必ずダウンロードしてから行ってください。日本語のママ使えます。できれば、東京で練習してから行くとスムーズでしょう。
http://www.money-c.com/kr/sf/uber.jpg

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№535


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