短コロ融資って知ってますか?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


運転資金を長期借入金で調達する矛盾

法人や個人事業主の方が金融機関から融資を受けようとする場合、通常は5~7年の長期借入になることがほとんどです。
それに疑問を持たれる方はあまりおられないかもしれませんが、実はこの融資形態には、ある矛盾があります。

会社が金融機関から融資を受ける場合、その資金を何に使うかはケースバイケースだと思いますが、最も多いのは「運転資金」です。

通常、事業を継続させていくためには、運転資金が必要となります。

例えば、売上が末締め翌月末入金であれば、最短でも売り上げてから入金まで1ヶ月はかかります。一方、仕入は末締め翌月15日支払だったとすると、売上が入金になる前に、仕入代金を支払わなければいけません。

この入金サイトと支払サイトの差によって発生する資金負担が、運転資金で、一般的には、下記のように計算されます。

◇正常運転資金=売上債権(受取手形、売掛金等)+棚卸資産(商品、原材料等)-仕入債務(支払手形、買掛金等)

運転資金というのは、事業を継続している限り、多少の増減はあったとしても、常に必要な資金となります。
冒頭の矛盾というのは、常時必要である運転資金を5~7年の長期借入で調達してしまっている、ということです。

返済ができるだけの利益を稼いでいれば問題ありませんが、大半の中小企業ではそれだけの利益が出ていないのが実情です。

利益が出ていないのに、運転資金を一定の期間で返済していけば、どうなるか。
当然、資金ショートするケースが出てきます。

その場合は、また返済した分の折り返し融資を受ける、というのが、最も多いパターンかと思いますが、本来は「運転資金を長期資金で借りる」というやり方は矛盾しています。

金融庁も認めている「短コロ融資」

では、どうするべきなのでしょうか。

答えは、毎月の返済がない「短期借入金で調達する」です。短期で転がす、という意味で、「短コロ」と言われたりします。

この場合、原則的には期日一括返済を条件とした1年以内の短期借入で調達する、というのがベターです。業績等に大きな問題がない限りは、期日が来ても、また書き換えて”転がして”いくことができます。

もちろん、そのままでは借入元本が減らず、金利を払い続けなければいけませんので、長期的には、利益の程度に応じて徐々に短期借入の元本を減らしていく必要はありますが、短期的な資金繰りは大幅に改善されます。

デメリットは、万が一業績が悪化すれば、期日一括返済を求められる可能性がある点ですが、一般的にはその可能性は比較的少なく、実務上は、その場合でも長期借入金への切り替えを求められることが多いと思います。

金融庁も、金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕において、短期継続融資(=短コロ)についての事例を掲載し、以下のような解説をしています。

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債務者が正常な営業を行っていく上で恒常的に必要と認められる運転資金(正常運転資金)に対して、「短期継続融資」で対応することは何ら問題なく、妥当な融資形態の一つであると認められる。
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短コロを実現させるためには

ただ、とはいえ、実際には短コロはあまり普及していません。金融機関は従来通り、長期での融資提案をしてくることがほとんどで、金融機関側から短コロを提案してくることはほぼありません。

短コロを実現させようとすると、逆にこちらから提案することが必要となります。

そんなときに、活用して頂きたいのが「早期経営改善計画」です。まさにこういった金融機関との交渉を行う際のツールとして活用することができます。

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この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№564


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