信用保証制度が4月から変わります!
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
もくじ
信用保証制度はなぜ見直されるのか?
平成30年4月1日から、信用保証制度の見直しが実施されます。
一般的に、中小企業は信用力に乏しく、民間金融機関だけで資金繰りを円滑に進めることが難しいため、各地の信用保証協会が、事業者の民間金融機関からの借入れに対して保証を行い、返済が滞った際には、代わって債務の支払いを実施(代位弁済)しています。
これが、いわゆる信用保証制度です。
信用保証制度は、中小企業の資金繰りを支える重要な制度ですが、逆に信用保証に過度に依存してしまうと、金融機関にとっては、事業性評価融資やその後の期中管理・経営支援へのモチベーションが下がる可能性があります。
また中小企業にとっても、資金調達が容易になることから、かえって経営改善への意欲がなくなる、という副作用が考えられます。
そのため、中小企業の資金需要にさらにきめ細かく対応するとともに、信用保証協会と金融機関が連携して中小企業への経営支援を強化することで、中小企業の経営改善・生産性向上を一層進める仕組みにする、という目的で、今回の改正は行われます。
小規模事業者、創業関連は、保証限度額拡大
主な改正内容は、以下のようになっています。
まずは、保証協会の保証メニューの改定です。
中小企業、個人事業主の皆さんにとっては、主に(2)(3)の影響が大きいものと思われます。事業承継に関しては、(4)の新設に注目です。
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1.中小企業の多様な資金需要に対するきめ細かな対応
(1)危機関連保証の創設
(2)小規模事業者への支援拡充
小規模事業者の持続的発展を支えるため、特別小口保険の付保限度額を拡充(小口零細企業保証についても同様、保証割合は100%保証を維持)
→保証限度額を1,250万円から2,000万円に拡充
(3)創業関連保証の拡充
創業チャレンジを促すべく、創業関連保証の付保限度額を拡充(保証割合は100%保証を維持)
→保証限度額を1,000万円から2,000万円に拡充
(4)特定経営承継関連保証の創設
事業承継を一層促進するため、法の認定を受けた中小企業の代表者個人が承継時に必要とする資金(株式取得資金等)が信用保険の対象とされます。
(5)経営改善・事業再生の促進、再チャレンジ支援等
(6)円滑な撤退支援
(7)信用保証協会における出資ファンドの対象拡大等
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原則、保証協会融資とプロパー融資はセットで実施
次に、保証協会と金融機関の連携面で、以下の改正が行われます。
保証協会融資とプロパー融資の連携が行われる点で、4月以降の金融機関の動きが注目されます。
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2.信用保証協会と金融機関とが連携した支援
(1)信用保証協会と金融機関の連携
信用保証協会と金融機関の連携を法律上に位置づけ、中小企業のそれぞれの実態に応じて、プロパー融資(信用保証なしの融資)と信用保証付き融資を適切に組み合わせ、信用保証協会と金融機関が柔軟にリスク分担を行っていくべく、信用保証協会と金融機関との間で更なる連携を図ります。
また、実効性を担保するため、各信用保証協会・各金融機関のプロパー融資の状況等について情報開示(平成30年秋公表予定)が行われます。
(2)信用保証協会における経営支援
仮にメインバンクが十分な融資を行えない場合には、信用保証協会が他の金融機関を紹介するといった取組みが行われます。
(3)セーフティネット保証5号の保証割合の引下げ
不況業種を対象としたセーフティネット保証5号の保証割合が100%から80%に変更されます(別枠はそのまま)。
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弊社では、年度末や4月以降の資金繰りのご相談など、初回無料相談を実施しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
メール通信№580
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