(緊急号外)日本振興銀行破綻による影響と対策

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


日本振興銀行、10日に破綻

トップニュースとなりましたので、ご存知の方も多いでしょうが、銀行法違反の疑いで強制捜査を受けていた日本振興銀行は、9月10日に経営破綻を申し出て、金融庁が業務停止命令を発動し、破綻処理の手続きに入りました。

合わせて、東京地方裁判所に民事再生法を申請しています。

日本振興銀行は、平成16年開業で、中小企業向け融資に特化した金融機関でした。
通常の金融機関では融資しにくい動産担保融資なども積極的に実行し、中小企業の駆け込み寺のような側面もありました。

そのため、日本振興銀行の破綻は、一部の中小企業(特に融資を受けている企業)にとっては、少なからぬ影響を及ぼす可能性がありますので、緊急号外として現時点でわかっていることなどをお伝えします。

※現時点で引受先となる受け皿金融機関は未定、また、民事再生手続きで提出する再生計画の中身についても未定です。これらがどうなっていくのかで、今後の方向性が大きく変わりますので、影響のある方は新聞報道などを注視しておいてください。

影響その1(日本振興銀行から借入がある企業)

契約どおりに返済していけるのであれば、特段問題は無いものと思われます。
ちなみに、日本振興銀行の返済口座が閉鎖されることは無いと思われますので、通常通り返済を続けていくことになるでしょう。

しかし、期限一括返済など契約通りに返済していけない場合に、どうなるのかが問題です。

正直、現時点では預金保険機構などがどう判断されるのか、わかりません。

経済産業省より、「特別相談窓口の設置」と「セーフティネット保証の活用」という2つの措置が講じられていますので、参考にしてください。

経済産業省は、日本振興銀行株式会社の破たんを受け、関連する中小企業者の資金繰りへの影響が懸念されることから、今般の問題で影響を受ける中小企業者を対象に「特別相談窓口の設置」や「セーフティネット保証の活用」等の支援措置を講じることとしました。

中小企業庁|日本振興銀行株式会社の破たんに係る中小企業対策について
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2010/100910ShinkoBankBankruptcy.htm

特別相談窓口の設置

全国の日本政策金融公庫や信用保証協会、商工会議所など987か所において、「特別相談窓口」が設置されました。

今回の破綻により影響を受ける、中小企業者に対する資金繰り等に関する相談を受け付けてくれます。

中小企業庁|特別相談窓口の設置箇所
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2010/download/100910SBB-2.pdf

中小企業庁|日本振興銀行の破たんに係る中小企業対策について
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2010/100910ShinkoBankBankruptcy.htm

セーフティネット保証の活用

日本振興銀行と取引のある中小企業者は、その事実について各市区町村長の認定を受ければ、「セーフティネット保証(6号)」等を利用することが可能となりました。

中小企業庁|セーフティネット保証(6号)[PDF]
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2010/download/100910SBB-1.pdf

影響その2(日本振興銀行から借入予定の企業)

日本振興銀行から借入を予定されていた企業については、借入実行は難しいでしょう。

現在、日本振興銀行は預金保険機構の管理下におかれているため、貸付業務は実行不可です。

上記のセーフティネット保証を早急にご検討ください。

また、同様に借り換えなどを検討されている場合も、日本振興銀行に頼らない資金繰り対策が必要です(受け皿金融機関によっては借り換えが実施できる可能性も若干ありますが、淡い期待は禁物です)。

影響その3(預金1,000万円以上ある企業、個人)

預金については、元本1,000万円とその利息までしか保護されない、いわゆる「ペイオフ」が戦後初めて発動されることになりました。

つまり、日本振興銀行に預けている預金のうち、確実に保護されるのは、1,000万円までの元本とその利息となり、それらを超える分の一部はカットされる可能性があるということです。

新聞報道によると、97%の預金者は全額を保護される一方、残り3%に当たる3,500人程度の預金(総額約100億円)の一部がカットされる見通しだそうです。

ペイオフについては、民事再生手続きで提出する再生計画次第となるでしょう。

(最後に繰り返しになりますが)
※現時点で引受先となる受け皿金融機関は未定、また、民事再生手続きで提出する再生計画の中身についても未定です。これらがどうなっていくのかで、今後の方向性が大きく変わりますので、影響のある方は新聞報道などを注視しておいてください。

この話が経営者の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№199


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