黒字化対策、5つの枠組みとは?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

決算が赤字予想、方向性は3つ

3つの方向性については過去にもコラムで何度か書いていますので、既にご存知の方も多いでしょうが、念の為、下記をご覧下さい。

決算3ケ月前の決算予想で、どうやら今期は赤字になりそうだというときに、方向性は3つあります。

赤字幅が少額な場合や去年までの黒字で内部留保がきちんとあるなどの場合で、「今後の金融機関との融資交渉に問題がない」又は「多少の問題があっても乗り越えられる」と考えられるときは、「特に何も決算対策をせず」ありのままの決算を組みます。

これが赤字予想の場合の1つ目の方向性です。  

2つ目の方向性は、「V字回復を演出する」です。
これは出来るだけ今期に経費計上を行い、来期にできるだけ多くの黒字を計上できるようにすることです。  

そして3つ目の方向性が、「何とか黒字化したい」又は「赤字幅を縮小したい」という場合の「黒字化対策の実施」です。

今回はこの黒字化対策についての詳細です。

黒字化対策、5つの枠組み

黒字化対策には、おおまかには下記の5つの枠組みがあります。

1.費用ではなく資産処理
30万円未満の一括経費処理の規定をあえて使わず、資産計上をするというのがわかりやすい例となります。

2.経理基準の変更
経理基準を毎年変えるというのではいけませんが、売上や経費の計上基準を今後継続する前提で今期見直しをしてみるというのも検討の余地があるのではないでしょうか。

3.解約や免除
このコラムでも何度もお伝えしている「中小企業倒産防止共済(経営セー
フティ共済)」を解約すると、一般的には、その全額が収入計上となります。

4.含み益のある資産の売却
非事業用資産や有価証券で含み益のあるものがあれば売却を検討してみてはいかがでしょうか。

5.収益体質の見直し
会社全体での経費削減や損益分岐点売上の引下げなどは、当然のことながら、
黒字化に貢献します。

黒字化対策チェックリスト(35項目)

黒字化を検討されている方は、下記のチェックリストを印刷の上、ご活用下さい(当然のことながら粉飾決算はいけません。また、行き過ぎた対策は、後の企業経営を歪ませますので、最終的にはバランス感覚をもって実行してください)。

「費用ではなく資産処理」

1.30万円未満の少額資産も一括償却ではなく、資産計上する
2.10万円未満の資産も経理の煩雑さ等を考慮した上で資産計上を検討する
3.原材料、商品、製品等の計上漏れ(付随費用、単価誤り等)を確認する
4.パンフレット、チラシ、印紙、切手等で未使用のものは貯蔵品に計上する
5.地代家賃等で翌月分の費用は前払費用に計上する
6.保険料のうち、資産計上部分がないか再確認する

「経理基準の変更」

7.売上の計上基準を見直す
8.締め日以降の売上を計上する
9.減価償却費の計上金額を減らす
10.減価償却方法、棚卸資産評価方法を見直す
11.特別償却ではなく税額控除を選択する
12.役員給与を要件確認の上、減額する
13.役員交際費を自主負担とする
14.役員などに対する貸付金に利息を計上する
15.未払経費の計上を一部見合わせる
16.貸倒引当金などの各種引当金の計上を見合わせ戻し入れる
17.税込経理に変更し、消費税を納税時計上にする

「解約や免除」

18.収入計上となる生命保険契約等を解約する
19.倒産防止共済を解約する
20.役員借入金などを債務免除してもらう

「含み益のある資産の売却」

21.含み益のある有価証券を売却する
22.含み益のある非事業用資産を売却する
23.含み益のある事業用資産を役員や関連会社に売却する

「収益体質の見直し」

24.役員のグレー経費は、役員貸付金(又は借入金との相殺)とする
25.社内全体で経費削減を実施する
26.賞与の減額(労働分配率の引き下げ)を実施する
27.損益分岐点売上の引き下げ(中小企業は薄利多売ではなく厚利多売)を検討する
28.売上債権回転率及び棚卸資産回転率の向上を検討する(不況対策)
29.売上先の多様化を検討する(不況対策)

「その他」

30.翌期回しとできる経費がないか確認する
31.決算セールを実施する(小売業や飲食業等の場合)
32.自社商品の社内セールを実施する
33.助成金の受給を検討する
34.事業年度を変更する
35.黒字子会社と合併する


※(項目が多く大変と思われたかもしれませんが)顧問先様については、以上を踏まえたうえで決算3ケ月前に決算対策を実施いたしますので、ご安心下さい。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№488

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