経営者保証の解除に向けた取り組み指針

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


足枷となっている、経営者保証

経営者保証は、経営者個人が会社の連帯保証人となることで、資金調達の際に信用補完の面などで円滑化を図ることができる一方、保証債務の履行を求められることへの懸念から、経営者による思い切った事業展開や早期の事業再生、円滑な事業承継を妨げる要因の一つとなっているという指摘があります。

そこで、全国銀行協会と日本商工会議所では「経営者保証に関するガイドライン」を策定し、経営者保証の解除に向けた方向性を取りまとめています。

経営者保証のガイドラインとは

経営者保証に関する契約・履行等の際に、関係者(中小企業、経営者、金融機関)共通のルールとして、策定・公表されているもので、「経営者保証に依存しない融資の一層の促進」を目指して関係者が自発的に尊重・遵守することが期待されています。

上記は法的な拘束力はなく、経営者保証を解除するかどうかの最終的な判断は、金融機関に委ねられていますのでご留意下さい。

経営者保証解除に向けた、3つの指針

◎法人と経営者との関係の明確な区分・分離

◎財務基盤の強化
財務状況及び経営成績の改善を通じた返済能力の向上等により信用力を強化

◎財務状況の正確な把握、適時適切な情報開示等による経営の透明性確保
開示・説明した後に、事業計画・業績見通し等に変動が生じた場合には、自発的に報告するなど適時適切な情報開示に努める

ガイドラインでは、上記の充足度合いに応じて、
・経営者保証無しで融資を受けられる可能性
・既に提供している保証を見直すことができる可能性
・保証機能の代替手法(停止条件付保証契約※等)の活用の可能性
があるとしています。

※停止条件付保証契約
特約条項(定期的な財務情報の提出義務、他の金融機関に対する担保提供の制限など)に違反しない限り保証債務の効力が発生しない旨の契約。

金融機関への打診のタイミングと、事例集

・新規借り入れ時
・既存借入の借換時
・事業承継時

下記事例集では、経営者保証の解除を実現した事例を掲載しています。

事業承継を中心として書かれていますが、どういったところが問題点として指摘され、解決策としてとった行動等も記載されていますので、是非ご参考にご一読頂けますと幸いです。

◇中小企業庁|事例でみる経営者保証の解除~課題解決のポイントとその効果
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/keieihosyou/download/jirei.pdf

経営者保証に依存しない新規融資の割合も2021年度には8.1万件と、7年前と比較すると2倍近くに増加しています。

自社の状況を確認・ブラッシュアップし、是非金融機関へ相談してみてはいかがでしょうか。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№817


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