黒字でも社長がチェックすべき勘定科目

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


黒字でも社長がチェックすべき3つの視点

今期決算の数字が良くても、会社を長く存続及び発展していくことを考えると、 下記の視点も重要だと思います。

1.未来経費の視点
会社の未来の為に、きちんと経費を使えていますか、投資を行えていますか?

2.社長アイデアの視点
中小企業はどこまで行っても社長がキーです。
社長の右脳が活性化するために、必要な経費を惜しみなく使えていますか?

3.若者向け商売の視点
歴史を振り返ると、時代の変革者は若者が多い。
若者を採用しづらい中小企業は、せめて若者をターゲットにした商売を、儲かっていようがいまいが常に行って、若者との接点を持つべきです。

未来経費の視点

一般論ですが、未来経費をあらわす財務諸表上の勘定科目は下記です。

□広告宣伝費や販売促進費
今期売上だけでなく、来期以後の売上貢献費用部分があるかが重要です。
「新商品・新サービスについて」や「新市場について」のチャレンジングな広告宣伝費や販売促進費が少しでも計上されていると、逆に企業は安定するのかもしれません。

□採用費や人件費
お金をかけるだけが中小企業の採用戦略では無いと、特に昨今思いますが、それでも最低限必要な費用もあります。
人が不足しての補充採用ではなく、先行投資的な採用を目指したいものです。
また、従業員数が同じでも昇給や賞与アップが今の時代無いと、企業の先行きが危ぶまれます。

□減価償却費
設備投資があれば減価償却費は増えます。
コスト削減の観点からは、設備投資ではなく修繕で対応することも重要ですが、昨今の技術革新は目覚ましく設備投資も時には必要です。

社長アイデアの視点

一般論ですが、社長のアイデア活性化をあらわす財務諸表上の勘定科目は下記です。

□旅費交通費
アイデアは「移動距離」や「価値観の違い」に比例し、「荷物」に反比例する。
遠くに行けば行くほどアイデアが浮かんでくると言ったのは、フランスの哲学者ジャック・デリダ氏です。
今は移動がコストや時間の面においてイージーになっていて、昔ほどではないかもしれないので、付け加えたのが「価値観の違い」です。
価値観の異なる人や文化に触れれば触れるほど、脳の活性化にはプラスに働くのではないかという仮説でもあり、実体験でもあります。

一方で、重い荷物を背負っての移動は、それだけで新たな気づきや発想を阻害しているのではないかという、これも仮説であり実体験でもあります。
ということで社長は、価値観の異なる遠くへ、リュック1つで旅に出ましょう。

□新聞図書費
本を読んだり知識を手に入れることは重要です。
しかし、知行合一。
行動を起こさなければ、結局今は変わりません。
今が変わらないと未来も変わりません。

学があり勉強熱心な社長ほど、時には本を読むのを止めたほうがいいと思います。

100冊本を読んでも何も現実は変わりませんが、1つの行動で未来は変わる可能性があるという当たり前の事実を、今一度思い出しましょう。

若者向け商売の視点

大きく時代が変わるときには、いつもそこに若者がいました。
「何かおかしい」という時代の息吹を、敏感に感じ取れるからでしょう。
既得権益や既成概念がありませんので、真っ直ぐに突き進みます。

一般論ですが、若者向け商売をあらわす財務諸表上の勘定科目は下記です。

□売上(補助科目)
企業の存続と発展を考える時、そんな若者とは常に接点が必要です。
大企業のように新卒採用など出来ればいいのですが、中途採用が多い中小企業では従業員に若者を求めることが難しいことも多いです。

それであれば、若者をターゲットにした商売を、極論赤字でも行っておくことをお勧めします。
売上の補助科目で、若者をターゲットにした項目がありますか?

□交際費
若者向け商売が難しい場合には、社長、町に出ましょう。
飲みに行きましょう。

単に目先の売上を向上させる為の交際接待費も必要ですが、それだけではなく未来への先行投資として、社長の感性が時代から遅れないために、若者と会話する機会を持ちましょう。
そこで話題の出た音楽を聴いてみる、使われていた言葉をネット検索してみる、美味しいといった食べ物や飲み物を一度自分でも試してみてはいかがでしょうか。

時代の声を代弁しているのは若者が多いので、そこに少しでも触れることが出来れば、企業経営に大いに役立つことでしょう。

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この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№942


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