『IT政策大綱』と『大阪トラック』から中小企業経営者が押さえておくべき事

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

データは21世紀の石油

政府は6月7日に「IT政策大綱」を作成・公表しました。

2001年に、森喜朗内閣が「ブロードバンド網の普及」を打ち出した初のIT戦略を作成してから18年となりますが、今回の作成目的は2つあります。

1.デジタル時代の国際競争に勝ち抜くための環境整備
2.社会全体のデジタル化による日本の課題の解決

上記の作成目的の元、政策の柱は下記の2つです。

1.データの安全・安心・品質
2.官民のデジタル化の推進

全体的には、「データは21世紀の石油」という位置付けで、各種のデータを重要視しているのが特長です。

ちなみに、その流れもあって、只今申し込み受付中の「ものづくり補助金」は別名を「データ連携ものづくり補助金」といって、2社以上でデータ連携することが要件とハードルが少し高いのですが、該当すると、「最高2億2,000万円」の補助金が出ます(弊社の代行受付は終了していますので、メール頂いても対応できません)。

少子高齢化問題の解決ヒント

特に、上記作成目的の2番目に注目したいです。

日本の少子高齢化問題というのは、先進国共通の課題ですが、実はその中でも日本がトップランナーにいます。

今回のIT政策大綱では、その少子高齢化問題の解決をIT利活用で乗り切り、更にその解決策の1つ1つが、他の国もその解決策を欲している訳ですから、日本の今後の成長のチャンスにもなるのではないかと。

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現在、我が国の高齢化率は世界で最も高い水準にあり、引き続き、高水準で推移していくことが見込まれている。
今後、我が国は、少子高齢化に代表される様々な社会課題の解決に取り組みつつ、持続的な経済成長を図っていくことが求められることとなる。

しかし、見方を変えれば、少子高齢化は先進国を中心に各国共通の課題となりつつあることを踏まえると、我が国が世界に先駆けて少子高齢化を克服し、効率的で生産性が高く豊かな社会を実現することにより、世界に対して新たな課題解決型の成長モデルを発信する拠点となる「チャンス」であると捉えることができる。

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サイバーとリアル(フィジカル)の融合に日本の強み

日本の強みとしては、「サイバーとフィジカルの融合」でしょう。

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デジタル時代の競争の「第1幕」の現状を踏まえて、我が国が採るべき戦略については、これまで政府や産業界の報告書やレポートの中で様々な論点が議論されてきた。
その中で、今後のデジタル時代の競争の中で、「日本の強み」を活かせるポイントとして共通して指摘されている点がある。
それは、デジタル時代の競争の「第2幕」の競争の場は、健康・医療・介護、製造現場、自動走行、農業などのより複雑なフィジカル(現実)空間でのオペレーションを必要とする分野に移行するという予測である。

デジタル時代の競争の「第1幕」は、フィジカル(現実)空間の「検索」、「コミュニケーション」、「消費」などの分野に関するデータを収集し、AI などを活用して解析を行い、さらなるサイバー空間におけるサービス提供や広告の効率化・高度化につなげるという競争であった。
つまり、競争は主にサイバー空間で起こっていた。

一方、デジタル時代の競争の「第2幕」においては、競争の場となる「分野」が、健康・医療・介護、製造現場、自動走行、農業など、フィジカル(現実)空間のビジネスの現場への適用が必要な分野に移行する。

そして、そうした分野において、1.センサーなどを用いてフィジカル空間の複雑な現場のデータを収集し、2.サイバー空間において AI などにより解析を行い、3.データ解析の結果をフィジカル空間に適用し新製品開発やサービスの高度化につなげるという、サイバーとフィジカルが融合するサイクルを構築する競争に関しては、これまで日本企業が培ってきた「すり合わせ」、「現場力」、「総合力」などの強みが活かせるのではないか、という方向性が共通して指摘されている。

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書くと簡単な事ですが、気付く方や見える方には大きなビジネスチャンスかもしれません。

デジタル時代の競争の「第1幕」は、「検索・コミュニケーション・消費」で、主にサイバー空間

デジタル時代の競争の「第2幕」は、「健康・医療・介護、製造現場、自動走行、農業など」で、主にリアル(フィジカル)空間

中小企業経営者が押さえておくべき事

とにかく何某かの新規事業などを行う時には、データ収集を行うようにすべきでしょう。

データ収集しようと思うと気付きますが、「ヒアリングシート」や「アンケートシート」、「入力画面」の作成が必要になり、そのために、「何を」聞くのかを、今後のサイバーとリアルの融合の中でのキャッシュポイントをイメージしながら考えないといけません。

つまり、目先の仕事だけではなく、更にその先をイメージして、新規事業などに取り組むイメージかと思います。

また、上記にも書きましたが、キャッシュポイントはサイバーとリアルの融合かと思われますから、IT専門会社以外の方は、今やっている仕事で何某かのデータ収集を行い、サイバーとからめられないかお考え下さい。

IT専門会社の方は、少し突飛かもしれませんが、製造業や農業を始めてみる又はスモールM&Aで買ってみるというのはいかがでしょうか。

そういえば、昨年シリコンバレー・サンフランシスコに行きましたが、その周辺に、金型さんや板金さんなどのものづくり会社がありましたね。

そしてもう1つ、経営者の方にお伝えしたいのは、早いうちに「マイナンバーカード」を取得しておいてください。

上記政策の柱の2つ目にある「官民のデジタル化の推進」では、様々な施策でマイナンバーカードを使っていくと書かれています。

未来の仕事の種という観点から、早いうちに取得しておいて新しい施策が出てくると、すぐに利用できるようにしておくと良いでしょう。

大阪トラック

6月28日、29日に大阪にて、G20が行われます。

そこで、世界的なデータガバナンスの始まりの場として「大阪トラック」が提唱されます(ここでいうトラックは、交渉等の意味)。

国境を超えるデータに関して、個人情報や知的財産のデータ保護のルール作りの場の始まりという感じかと思います。

上記政策の柱の1つ目「データの安全・安心・品質」にも関する部分です。

特定の会社や国にデータを囲い込みさせないことや、データの安全や安心について、今後の先進国共通の課題である少子高齢化にも言及されるのかもしれません。

原文

このメール通信の内容は超訳となっている部分もあるでしょうから、原文を読みたい方は下記よりどうぞ。

一度読むと「あーその程度」ですが、2回目にキーワード読みしながら、ご自身の仕事につなげて読むと、「ワクワクするな」となるのではないかと思います。

【デジタル時代の新たなIT政策大綱】
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/kettei/pdf/20190607/siryou1.pdf

Ps.よくこういう政策ネタを書くと、「どーせ政治家マターの政策なんて絵餅で実現しないんだから」とか、「内容が古い遅いからあんまり役立たないわ」とか言われることもありますが、2000年前後のIT元年から今までの間で、うまく時流に乗って来られた会社を振り返ると、改めてこの大綱を読んで、方向性のかじ取りを間違えないようにしないといけないなと思います、自戒を込めて。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№646

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