路線価発表、最新の不動産価格はどうなってる?
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
もくじ
令和3年分路線価、6年ぶり下落
今年も例年通り、7/1に国税庁から路線価が公表されました。
大方の予想通り、新型コロナウイルスやインバウンドの減少などで、全国平均は6年ぶりに前年比0.5%下落しました。47都道府県のうち、39都府県で対前年比マイナスとなっています。
インバウンドの影響が大きかった大阪のミナミでは、「戎橋ビル」前で26.4%減少しています。
しかし、上昇している都道府県もあり、福岡は全国トップの+1.8%、2位は沖縄の+1.6%、3位は宮城県で+1.4%となっています。人口が増えていたり、再開発が続いている地域で、上昇がみられます。
また、新型コロナによるテレワークの広がりにより、郊外の住宅地などでも、上昇する地点があったようです。
不動産価格は、本当に下がっているのか?
最近、このコロナ禍での経済状況を表す言葉として、「K字経済」という言葉をよく目にするようになりました。
『 富裕層と貧困層の経済格差など経済の二極化が進む状態。所得階層別に収入や貯蓄の増減などをグラフ化すると、上下に開くK字を描くことから名付けられた。新型コロナウイルス禍が長期化するなか、低賃金労働者ほど雇用環境が悪化し、株高の恩恵を受ける富裕層に富が集中する現象が世界的に広がっている。』
(日本経済新聞より)
路線価の全国平均としては、もちろん下がっているのですが、個別にみると、上記のように上がっている地域もあります。
K字経済の実態を捉えるには、”平均”という数字はあまり意味を成しません。
例えば、大きく下がっていると紹介した大阪ミナミでも、半年ほど前のことにはなりますが、去年の年末には、大型商業施設の敷地が公示地価の2倍近い金額で売却された、と報道されました。
また、外資系ファンドなどは、日本での不動産投資を拡大しようとしています。
<KKRがアジア不動産ファンド 1,700億円、日本も対象>(日経2021.1.14)
<米ゴールドマン、日本の不動産投資倍増 年2,500億円>(日経2021.5.30)
最近、大企業が本社を売却し、売却後も賃料を支払って使い続ける、という事例を頻繁に見かけます。
<リクルート>東京銀座の本社をヒューリックに売却
<HIS>虎ノ門の本社フロア売却
<電通>東京汐留の電通本社ビルの売却検討
コロナ禍で業績が悪化し、資金確保のためにリースバックで売却する会社が増えている、ということなのですが、いくら売買したいと思っても、買ってくれる会社がいないと、売買は成立しません。
つまり、リースバックが増えているということは、不動産を買っている会社も増えているということです。
そうした買手プレーヤーの1つに、上記のような外資系ファンドがいます。
また国内の上場会社も、世界的に続く金融緩和やコロナ禍での資金確保などで、手元資金は過去最高額になっているといいます。
個人でも、K字経済の上向きの線上にいる方は、投資用物件などを探しています。軽井沢などは、そうした別荘需要などで、2021年公示地価は上昇しています。
繰り返しになりますが、K字経済である今、平均値では経済の実態は掴めません。このコロナ禍から抜け出すヒントをつかむためにも、時代の本質を見抜けるようになりたいものです。
この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
メール通信№751
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