H24以後の相続は不動産売却のチャンス!

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

相続・贈与

2015.06.08


隠れた相続税の増税~地主さんに影響大!

今年から相続税がかからないバーである基礎控除が4割下がり、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」となりました。

また、相続税の税率も上昇しています。

しかし実は、これら以外にも相続税の増税項目として、「相続税の取得費加算の土地特例の廃止」があります。

相続税の取得費加算とは、「相続した土地を相続開始から3年10ヶ月以内に売却した場合に、相続した土地について納めた相続税を売却時の譲渡所得税の計算において、取得費に加算できる制度」です。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、簡単には、土地を相続する時に相続税を払っているのであれば、その相続税を、その土地売却時の経費としてみてくれるというものです。

この制度は、株式の相続など他の資産でも対象となるのですが、土地については特例があり、「売却土地の相続税だけでなく、他の売却しない土地にかかる相続税も売却土地の取得費に加算できる」ということになっています。

土地を多く相続した場合には、譲渡所得税がゼロになるケースも多々あります。

今回の改正は、この「相続税の取得費加算における土地の特例を廃止する」というものです。

いつから増税?

この増税改正は、平成27年1月以後の相続にまつわる不動産売却から適用開始となります。
つまり、平成26年12月以前の相続にまつわる不動産を、今年や来年に売却しても改正前の有利な規定が使えるのです!

ただし、相続開始後3年10ケ月以内に売却という制限もありますので、ざっくりとは、「平成24年以後の相続にまつわる不動産売却」で改正前の有利な規定が現在も使えることになります。
例)平成24年1月相続開始であれば、3年10ケ月以内という事は、平成27年10月までの売却であると改正前適用。

譲渡税が大幅軽減となるケース多々有り

平成24年以後に相続があり、土地を相続し相続税を払ったという方は、土地を売却した時にかかる税金を軽減できる「相続税の取得費加算の土地特例」が使えますので、覚えておいて下さい。

相続で取得した土地は、その多くが原価0円に近いです。
つまり、売却した時には多額の譲渡所得税が発生する可能性が高いです。

この「相続税の取得費加算の土地特例」を利用できると、もちろんケースにもよるのですが、譲渡税が大幅軽減にできることがあります。
このコラムに書くぐらいですから、うまくいくと大変有利になるケースがあるとご認識下さい。

裏技!自分の会社に売却してもOK

「でもこの不動産、今の所、売るつもりないんだよね?」という方もおられるでしょう。
その場合、自分の会社に売却する事でも、上記の「相続税の取得費加算の土地特例」が実は使えます、もちろん合法です。

不動産を移転すると、不動産取得税や登録免許税が発生します。

それなのになぜ、我々がこうも「相続税の取得費加算の土地特例」を利用して不動産売却を提案するのかというと、それは、次に本当にその不動産を売却する時の税金を節税するためなのです。

例えば、この特例で譲渡税がかからずに又はわずかで不動産を自分の会社に売却できたとすると、次にその会社がその不動産を同じ価格で売却すると、税金は発生しません。

つまり、あえて自分の会社に特例が使えるうちに売却しておいて、その土地の簿価を引き上げておくのです。

実際には、不動産取得税等を事前にきちんとシミュレーションをして実行判断するべきなのですが、「平成24年以後に相続があり、土地を相続し、相続税を払ったという方は、土地売却時の税金を軽減できる相続税の取得費加算の土地特例が使える」ということを覚えておいて下さい。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№441


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