改正で使いやすくなった『相続時精算課税制度』
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
■改正で使いやすくなった『相続時精算課税制度』
相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母又は祖父母から、18歳以上の子又は孫へ贈与した場合に選択できる制度です。
相続時精算課税制度を選択する場合には『相続時精算課税選択届出書』を贈与があった年の翌年の3月15日までに提出しなければなりません。
相続時精算課税制度を選択すると、暦年課税へ戻ることはできないので選択をする場合には注意が必要です。
令和6年より改正され、現行の特別控除額2,500万円に加え、あらたに基礎控除額110万円が設けられることにより、以前より利用しやすくなりました。
■贈与税の計算方法
相続時精算課税制度を選択した場合の贈与税は、贈与を受けた金額から基礎控除額110万円(年間)と特別控除額2,500万円(限度額)を控除し、一律20%の税率をかけて計算します。
【(計算例1年目)贈与金額3,000万円の場合の贈与税額】
(3,000万円-110万円-2,500万円)×20%=78万円
基礎控除額110万円と特別控除額2,500万円を限度額まで利用し、税率は一律20%となります。
【(計算例2年目)贈与金額3,000万円の場合の贈与税額】
(3,000万円-110万円)×20%=578万円
1年目に特別控除額を限度額いっぱいまで利用しているため、基礎控除のみとなり、税率は一律20%となります。
■気になるところ・注意点
・一度相続時精算課税制度を選択すると暦年課税には戻れません。
・相続時精算課税制度を選択する場合には、『相続時精算課税選択届出書』を提出する必要があります。
・相続があった場合には、贈与時の価額で相続財産に加算されることになります。
(例1)贈与時価額3,000万円、相続時価額2,000万円の場合、贈与時価額の3,000万円での加算
(例2)贈与時価額2,000万円、相続時価額3,000万円の場合、贈与時価額の2,000万円での加算
株や不動産等の価額が変動するものの場合、注意が必要です。(今後値上がりしそうな財産が狙い目)
・年間110万円までの贈与であれば、申告は不要で生前贈与加算の必要もありません。
・土地の贈与の場合、相続税申告時に小規模宅地の特例は利用できません。
・相続を放棄することはできますが、すでに贈与を受けているため、相続税の計算上相続財産に加算されます。
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