【法定相続情報証明制度】相続時の名義変更等に活用!
(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。
もくじ
「法定相続情報証明制度」とは?
平成29年5月29日から、全国の登記所(法務局)において、各種相続手続に利用することができる「法定相続情報証明制度」がスタートしました。
「法定相続情報証明制度」とは、相続人が登記所に必要な書類を提出し、登記官が内容を確認した上で、法定相続人が誰であるのかを登記官が証明する制度です。
この制度を利用することで、相続登記を含む各種相続手続きで戸籍謄本の束を何度も出し直す必要がなくなります。
この制度ができた背景は?
不動産の登記名義人(所有者)が死亡した場合、所有権の移転登記(相続登記)が必要となります。
しかし、近時、相続登記未了のまま放置されている不動産が増加し、これがいわゆる所有者不明土地問題や空き家問題の一因となっていました。
平成29年6月15日日経新聞より一部抜粋させていただきます。
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このまま放置すれば大変なことになるだろう。所有者がわからない「迷子の土地」が全国で増えている問題についてだ。
法務省は先日、全国10地区を対象に相続登記に関する初の実態調査を実施した。最後に登記されてから50年以上たつ土地が中小都市・中山間地域で26.6%、大都市でも6.6%あった。
こうした土地は当時の所有者が亡くなった後も放置され、現在の所有者がすぐにわからない可能性がある。山林や田畑だけでなく、大都市の宅地でも5%以上が登記から50年以上過ぎている。
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この記事からもお分かりいただけるように、相続後の名義変更登記がされずに放置されている不動産が多いため、法務省において、相続登記を促進するため、この制度が新設されました。
この制度を利用することで便利になるの?
現行の相続手続きはというと、被相続人(亡くなられた方)の戸除籍謄本等の束を相続手続を取り扱う各種窓口毎(金融機関や登記所など)に提出します。
被相続人が複数の金融機関で口座をお持ちの場合は、これら全ての金融機関に戸除籍謄本等を提出する必要があります。多くの金融機関では戸除籍謄本等の原本は返還してもらえますが、複数の金融機関を順番に手続するとなると、相当の時間を要することになります。
ならば、戸除籍謄本等を何組も取り寄せると考えると、今度は多額の費用がかかってしまうという問題がでてきます。
新制度である「法定相続情報証明制度」を利用することで、預金口座がいくつもある場合に手続きが同時に進められ、時間短縮及びコスト削減につながるメリットがあります。
制度の手続の流れ
(1)申出(法定相続人又は司法書士等の代理人)
1.市区町村の窓口や郵送で戸除籍謄本等を収集
2.法定相続情報一覧図を作成(面倒な場合には、司法書士等の専門家に依頼することが可能)
3.所定の申出書を記載し、1.2の書類に添付して登記所に申出
(2)登記所が確認・交付
1.登記官による確認、法定相続情報一覧図の保管
2.「認証文付き法定相続情報一覧図の写し」の交付(無料)戸除籍謄本等の返却
(3)各種相続手続きで上記(2)2を利用(戸除籍謄本等の束の代わりに利用)
無料で必要な枚数を交付してくれます。
被相続人に不動産がない場合で、金融機関の預金名義変更等のみであっても利用することができます。
この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。
メール通信№544
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