遺言書保管制度が始まりました

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

相続・贈与

2020.08.03


自筆証書遺言を保管してもらえる制度

2020年7月10日から、自筆証書遺言を法務局で保管してくれる制度が始まりました。

遺言には、公正証書遺言と自筆証書遺言の大きく2種類があります。

公正証書遺言は、公証役場で作成しますので、従来から原本が公証役場に保管されていましたが、自筆証書遺言については、これまで自宅で保管されることが多く、遺言書を紛失したり、相続人により廃棄、改ざんされたりなどの問題が生じる恐れがありました。

今回、一定の書式に従って作成された自筆証書遺言について、法務局(遺言書保管所)に申請すれば、保管してもらうことができるようになりました。

保管制度のメリットとデメリット

遺言書保管制度のメリットは、大きく以下となります。

・遺言書を紛失する恐れがない
・家庭裁判所の検認が要らない
・相続人は、法務局に遺言が保管されているかどうか、相続発生後に確認することができる
・遺言者が死亡した場合に、あらかじめ遺言者が指定した方に、法務局から通知してもらうことができる(令和3年度以降)
・相続登記手続等や銀行での各種手続について、法務局が発行する証明書が利用できるようになる(予定) など


逆に、デメリットもあります。
・本人出頭義務があることから、本人が行けない場合は利用できない(付添はOK)
・遺言の内容について質問、相談ができるわけではない
・死亡時通知に指定した方が、死亡時に相続人でなくなっていても、通知がされる(ex:遺言者と離婚した方)
・保管申請に手数料がかかる(1件3,900円) など

遺言書の保管の申請

遺言書の保管を申請する際のおおまかな流れです。

1.自筆証書遺言を作成する
所定の様式で書く必要があります。
<様式:法務省HPより>
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00057.html

2.保管の申請をする遺言書保管所を決める
遺言書の住所地、遺言書の本籍地、遺言者が所有する不動産の所在地のいずれかを管轄する遺言書保管所

3.申請書を作成する
申請書の様式は以下法務省HPからダウンロードできます。
http://www.moj.go.jp/content/001321933.pdf
<記載例、注意事項>
http://www.moj.go.jp/content/001321953.pdf

4.保管の申請をする(要予約)
(1)遺言書(ホッチキス止め禁止)
(2)申請書
(3)添付書類 本籍の記載のある住民票の写し等(作成後3ヶ月以内)
(4)本人確認書類(1点) マイナンバーカード、運転免許証など
(5)手数料 1通につき3,900円

5.保管証の受取
手続終了後、遺言者の氏名、出生の年月日、遺言書保管所の名称及び保管番号が記載された保管証を受け取る(保管証は再発行不可)


手続きが完了すれば、家族に遺言を法務局(遺言書保管所)に預けていることを伝えておくといいでしょう。

なお、手続きを踏めば、保管申請後に撤回や変更することも可能です。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№703


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