非上場株式等の納税猶予、担保の提供はここに注意

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

国税庁、担保提供に関するQ&Aを公表

平成21年度税制改正において、非上場株式等についての相続税、贈与税の納税猶予制度が導入されたのは記憶に新しいところであるが、その後実務的な取扱いが徐々に発表されてきている。

先日には、国税庁から「非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予~担保提供に関するQ&A」が公表された。非上場株式等についての納税猶予については、その要件や内容もさることながら、納税猶予制度であるため、適用を受けるためには担保の提供が必須とされている。このQ&Aは担保提供に的を絞って作成されている。適用に当たって重要な項目も含まれているため、今回はこのQ&Aの内容を簡単にご紹介していきたい。

特例非上場株式等を担保提供するメリット

まず、納税猶予制度は農地の場合もそうだが、利用するに当たって納税猶予額相当の担保提供が必要とされる。通常、担保提供できる財産として認められているのは、国債・地方債、不動産、税務署長が確実と認める有価証券等である。これらの財産を担保提供する場合には、その担保価値が、納税猶予に係る相続税額と猶予期間中の利子税額の合計額以上である必要がある。

ただし、非上場株式等についての納税猶予に限り、経済産業大臣の認可を受けた認定承継会社の非上場株式等(以下「特例非上場株式等」)を担保提供することが認められる。そして、この場合には他の財産を担保提供する場合と比較し、主に2つのメリットがある。

1つは、特例非上場株式等の全部を担保提供した場合には、その担保価値が納税猶予に係る相続税額等に満たない場合であっても、その担保価値を満たすものとして担保提供できる、という点である。

もう1つは、特例非上場株式等の全部を担保提供した場合には、会社の資産状況等により、特例非上場株式等の時価が下がったとしても、原則、担保の追加提供が不要である、という点である(担保の全部又は一部に変更があった場合を除く)。

またこの場合、譲渡制限株式であっても、担保提供が認められる。

担保提供するために何が必要か

では、実際に特例非上場株式等を担保提供する場合には、どんな手続きが必要なのだろうか。まず担保提供に当たっては、株券を発行していることが前提となる。株券を発行していない会社の場合には、株主総会の特別決議で定款変更を行い、株券発行会社の登記を経て、株券を発行する必要がある。その後、手続きとしては、株券を法務局に供託し、供託書の正本を税務署長に提出しなければならない。

納税猶予の取り消しには、要注意

ただし、特例非上場株式等を担保提供する場合には、注意が必要なこともある。万が一、猶予期間中に納税猶予を取り消された場合には、猶予税額と猶予期間中の利子税を一括納付しなければならない。その場合、担保提供した特例非上場株式等を処分した上で、処分代金が猶予税額等に満たない場合には、他の財産に対して滞納処分が行われる。そもそも非上場株式等の場合、買い手がつかない可能性も高い。特例非上場株式等を担保提供する場合には、納税猶予の取り消しに十分注意したい。

税務ニュース№140

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