事業承継税制は使えない

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。

さて今回は、今年の税制改正で創設された「取引相場のない株式等に係る相続時精算課税制度の特例」(事業承継税制)についてお届けします。

取引相場のない株式等に係る相続時精算課税制度の特例

この「取引相場のない株式等に係る相続時精算課税制度の特例」は、もとの制度である「相続時精算課税制度」を適用拡大して、中小企業の事業承継により有効活用できるようにと出来た制度です。

もとの相続時精算課税制度では、65歳以上の親から20歳以上の推定相続人である子どもへの生前贈与について、贈与財産累計2,500万円まで、贈与税を一旦非課税にするとなっています。
ちなみに、2,500万円を超える部分については、一律20%の贈与税がかかることになっています。

ここで、一旦非課税とはどういうことかというと、相続が発生したときにその生前贈与がなかったものとして、相続税の計算時にその生前贈与財産が持ち戻しされて課税されるということです。
もちろん、20%の贈与税を払った部分についても同様に相続時に精算される仕組みとなっています。

これに対して、新制度(注1)では、「65歳以上」という部分が「60歳以上に」に要件緩和されて、非課税枠も500万円増額されて「2,500万円」から「3,000万円」に拡大されます(ただし500万円以上の特定自社株贈与に限ります)。

(注1)適用要件
1.贈与対象となる自社株の発行済株式総額が20億円未満であること
2.贈与する親が、特例選択時点でその会社の代表者であり、発行済株式総数(及び議決権数)の50%超を保有していること
3.贈与を受ける子どもが、贈与翌年3月15日から4年を経過する日までに、上記2の要件を満たしていること
4.平成19年1月1日から平成20年12月31日までに行われた贈与であること
5.その他一定の要件

と、ここまではいいのです。
要件は厳しい(注1参照)ですが、該当すると非課税枠が広がるということなので、良い制度かな(?)と思ってしまいます…。

使えない

しかし、この新制度には注意点があります。
それは、 「小規模宅地等の特例」や「特定事業用資産の特例」とは重複適用出来ない!ことになっている点です。

これは、この相続時精算課税制度の特例を活用したということは、その会社については事業承継を完了させているはずだからこれ以上税務上の恩典を与える必要はない、というのがその理由のようです。

ですから要件に該当するからといってあわててこの相続時精算課税制度の特例を活用してしまうと、あとあとの相続税申告時に「小規模宅地等の特例」などが使えず多額の納税という可能性もありますのでよくよくご注意くださいね。

この話が少しでも経営者の皆様のお役に立てれば幸いです。

メール通信№47

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