改正!法人版事業承継税制における役員3年就任要件が撤廃

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


事業承継税制における役員就任要件の見直し

令和7年度税制改正大綱において、「法人版事業承継税制の特例措置における役員就任要件について見直しを行う」とされました。

そもそも法人版事業承継税制とは、一定の要件のもと、非上場株式等に係る贈与税・相続税の納税を猶予する制度です。

10年間限定(2027年末まで)の時限的な措置として、猶予対象株式等の上限を撤廃するとともに、猶予割合が贈与税・相続税ともに100%となる「特例措置」が設けられています。

この特例措置を活用するためには、スタートとして2026年3月末までに特例承継計画を申請し、2027年12月末までに事業承継を行う必要があります。

この特例措置は、中小企業の円滑な世代交代を通じた生産性向上という待ったなしの課題を解決するための『極めて異例の時限措置』であると税制大綱に記載されているように、非上場株式等に限定して贈与税・相続税を無税にするという魔法のような特例です。

したがって、特例承継計画を申請すれば簡単にOKというわけではなく、当然ながら何年にも渡る他にも細かい要件・手続きがあります。

その一つが「役員3年就任要件」です。

「役員3年就任要件」は事実上撤廃

事業承継税制の特例措置期限までに、この税制の最大限の活用を図る観点から、「事業承継税制が適用されるためには、株式贈与日に後継者が役員(取締役、監査役、会計参与)に就任後3年以上経過している必要がある」という、「役員3年就任要件」を特例措置に限って事実上撤廃します。

贈与直前に役員に就任していればOKとなります。

改正の背景として、法人版事業承継税制は平成30年度の特例措置創設後に急激に活用件数が増加したものの、令和2年度~令和3年度はコロナ禍の影響で件数が減少しました。

財務省によると、特例措置の適用見込みを約3,000件/年(平成30年度実績と同程度の水準で特例承継計画の提出があるものと仮定)と試算し、役員就任要件の事実上の撤廃により、特例措置の活用のより一層の促進に繋がるとの見込みです。

※今回の内容は決定事項ではありませんので、今後の国会動向等を注視して下さいませ。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№933


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