経営支援引継ぎ補助金

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


コロナ禍で危ぶまれる後継者不在企業

2025年頃までに70歳(平均引退年齢)を迎える後継者不在の経営者の方は、127万人(日本企業全体の1/3)と言わています。

そこで政府は、数年前から後継者不在の経営者の方が廃業を選択してしまう前に、中小・小規模零細企業の貴重な経営資源や雇用・技術を次世代へ引き継ぐ為の促進活動として、第三者承継(M&A)という選択肢があることの周知活動や支援策で、事業承継の促進を図ろうとしてきました。

その最中、コロナ禍によって経済が世界的に大きな打撃を受け、進退を考える経営者の方が急増しました。

政府は次の支援策として、より第三者承継を促進する為に「経営支援引継ぎ補助金」を策定しました。

補助金の概要

※下記のように呼び方を簡略化させて頂いております。
企業・事業の譲り渡しをお考えの経営者の方・・・・譲渡側
企業・事業の引継ぎをお考えの経営者の方・・・・・譲受側

〇補助対象:第三者承継(M&A)時の負担である、「士業専門家の活用に係る費用」を補助。譲渡側・譲受側どちらも申請可能。
(1)第三者承継時に士業専門家に支払った報酬
(2)譲渡側の場合、「経営資源の一部を引継いだ後の既存事業の廃業費用」が発生する場合、(1)と併せて補助

〇補助上限額:(1)200万円、(2)650万円

〇補助率:2/3

〇補助対象経費:着手金、成功報酬、デューデリジェンス費用、企業概要書作成費用、その他士業専門家への費用など

【ご参考:令和2年度補正予算の事業概要-令和2年4月|経済産業省】
https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2020/hosei/pdf/hosei_yosan_pr.pdf#page=17

※本補助金は6月以降に公募要領が公開される予定(執筆時20年6月10日)

ここに注意!!

基本的に、「審査・採択後の補助期間中に支払った費用」が補助金の対象となります。その為、補助期間の前後に支払った費用に関しては対象となりませんので、ご注意下さい。

第三者承継の進行と士業専門家の関わり合い

そもそも、第三者承継(M&A)とは、どう進行するのかが分からない…と思われる方も多くいらっしゃるかと思います。下記にて簡単に説明させて頂きます。


譲渡側の業種や規模によって多少の違いはありますが、基本的に第三者承継には、下記のようなプロセスを経ます。財務・法務など多くのプロセスで士業専門家に依頼する場面がでてきます。

・お相手探し(企業名が特定されないような概略書で行われます)
・秘密保持の締結
・交渉(譲渡側の企業概要書で譲受側が検討)
・基本合意の締結
・デューデリジェンス(財務法務等調査)
・最終契約の締結

現在では、お相手探しから一貫して請け負ってくれる士業専門家もいます。

専門家が一貫して請け負うことで、承継へ向けてお互いの条件のすり合わせや、将来を見据えての計画や節税対策の際などにも、専門的な知識で相談に乗ってくれるため、安心して交渉を進められます。

事前準備でタイムロスを減らす

上記のように進んでいくと、相当数の時間を要することになります。
少しでも円滑且つスピード感をもって進めるポイントは、自身で進められる事前準備と言えます。下記は一例です。

<譲渡・譲受側共通>
□条件の整理
⇒交渉時に譲歩できない点や、その優先順位を明確化

<譲渡側>
□自社の「見える化」
⇒経営状況、知的資産、契約書類等の集約など
□法人と経営者の関係の明確な区分・分離
□事業用資産の整理・集約
□株式の整理・集約
□許認可等の集約 など

上記準備だけでも通常業務と並行して行うとなると、時間が必要になります。

補助金の補助期間を考えると、現時点で期間は不明ですが、タイムロス無く進められるに越したことはありません。

第三者承継を考えた時、どこに相談したらいいの?

顧問の税理士、中小企業診断士などの士業等専門家、取引金融機関、事業引継ぎ支援センター、商工団体などの他、下記などのプラットフォームがあります。

・バトンズ https://batonz.jp/
・トランビ https://www.tranbi.com/

上記では企業名が特定されない情報をインターネット上に載せ、譲受先をつのる方法でのお相手探しを行っています。また、士業専門家の紹介を依頼することも可能です。

弊社でも第三者承継に関するご相談を受け付けておりますので、気になる点等ございましたらご連絡下さいませ。

※本補助金は6月以降に公募要領が公開される予定(執筆時20年6月10日)の為、正式に公開されるまで内容が変わる可能性もありますので、ご注意下さい。

この話が経営者・資産家の皆様のお役に立つことができれば幸いです。

メール通信№696


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