信用保証協会の保証付き融資が10月より変更へ

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


金融機関との責任共有制度を導入

今年の10月から信用保証協会の保証付き融資制度について、変更が行われることをご存じだろうか。

信用保証制度は、一定の中小企業が金融機関から融資を受ける際に、所定の保証料を信用保証協会に支払うことによって、万が一融資の返済ができなくなった場合の代位弁済を保証協会が金融機関に対して保証する融資制度である。

この代位弁済の部分に、この10月から「責任共有制度」という制度が導入される。この「責任共有制度」は文字通り、融資の貸倒リスクを信用保証協会と金融機関が共有しようというものである。具体的には、これまで原則として融資額の100%の代位弁済を信用保証協会が保証していたが、10月からは金融機関側も、原則として20%の信用リスクを負担することとなる。

部分保証方式と負担金方式

この責任共有制度では、信用保証協会と金融機関の負担割合の計算について、2種類の方法がある。「部分保証方式」と「負担金方式」である。金融機関はこの2種類のどちらかを任意に選択することができる。

「部分保証方式」は、個別の融資ごとに信用保証協会がその融資金額の80%を保証し、金融機関がその20%を保証するやり方である。この「部分保証方式」では、当初の保証時点から、80%と20%の割合で保証がされているため、代位弁済を行うときにも当然、信用保証協会はその80%、金融機関はその20%の割合でそれぞれ負担をすることになる。

一方、「負担金方式」の場合には、少し方法が異なる。この方法による場合、保証は信用保証協会が100%行い、代位弁済もこれまで通り、信用保証協会が全額行うのだが、金融機関は事後的に、約20%の負担金を信用保証協会に支払うことになる。負担金の計算については、過去半年の各金融機関の保証付き融資の平均残高に、過去半年の代位弁済率を掛け、その20%が金融機関の負担金とされる。

各金融機関は、既に平成18年中に「部分保証方式」と「負担金方式」の選択を終えており、事務負担などの面から大半の金融機関が「負担金方式」を選択したようである。

中小企業への影響

この制度は平成19年10月1日以降に、信用保証協会が保証申込を受け付けた融資から適用になる。一部小規模企業(製造業は従業員数20名以下、卸・小売・サービス業は5名以下の法人・個人)に対する、総額1,250万円以下の保証付き融資等についてはこの制度の対象外となる。

しかし、それ以外の保証付き融資は原則この責任共有制度の対象とされるため、この10月以降は、財務基盤が脆弱な中小企業にとっては資金調達が困難になることも予想される。現在資金調達を考えておられる企業については、このあたりの事情を考慮した上で、慎重に検討して頂きたい。

税務ニュース№39


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