平成25年度税制改正、平成26年3月決算から適用スタート

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


所得拡大促進税制は、雇用促進税制との選択制

平成26年3月決算の申告がまもなく始まるが、この決算は平成25年4月1日以降開始事業年度の申告となるため、改正項目の適用に注意しなければならない。そこで、今回は平成26年3月決算から適用される税制の改正項目についてまとめてみたい。

まず、所得拡大促進税制が今回から適用となる。これは、国内雇用者に対して給与等を支給し、一定の要件を満たした場合に雇用者給与等支給増加額の10%の税額控除ができる制度である。原則、今回の申告で適用を受けるためには、基準事業年度(平成25年3月決算)と比べて、雇用者給与等支給額が5%以上増加している必要がある。

ただし、平成26年度税制改正でこの要件が緩和されたため、改正後基準では2%以上増加していれば適用可能となる。しかし、改正後基準を適用する場合には、改正後の規定を適用して算出される税額控除相当額を平成27年3月決算において上乗せして適用することとなり、今回の申告時には適用できない。

また、雇用促進税制においては、1人当たり20万円の控除限度額が40万円に引き上げられる。なお、所得拡大促進税制と雇用促進税制は選択適用となる。

設備投資税制の新設等

設備投資関係においては、新たに2つの税制が導入されている。

1つ目は「生産等設備投資促進税制」で、国内における生産等設備への年間総投資額が減価償却費を超え、かつ前年度と比較して10%超増加した事業年度において、新たに国内において取得等をした機械装置について30%の特別償却又は3%の税額控除が認められる。

2つ目は「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」で、商業・サービス業・農林水産業を営む中小企業等が経営革新等支援機関からの経営改善に関する指導及び助言を受けて店舗改修等の設備投資を行った場合、30%の特別償却又は7%の税額控除が認められる。

また、環境関連投資促進税制においては、一定の設備を対象に加えるとともに、対象資産から補助金等の交付を受けて取得等をしたものを除外する等の見直しが行われている。

なお、平成26年度税制改正において「生産性向上設備投資促進税制」が新設され、既に平成26年1月20日から開始されているが、平成26年3月31日までの間に対象資産の取得等をした場合には、平成27年3月決算において特別償却額又は税額控除相当額の償却又は控除ができる規定となっており、今回の申告時には適用できない。

研究開発税制、交際費等の損金不算入

研究開発税制においては、いわゆる総額型の控除税額の上限が法人税額の20%から30%に引き上げられ、特別試験研究費の範囲が拡大されている。

また、交際費等の損金不算入制度においては、中小法人の損金算入特例である定額控除限度額が600万円から800万円に引き上げられ、定額控除限度額までの金額の損金不算入措置(現行10%)が廃止される。

税務には直接影響はないが、復興特別法人税が1年前倒しで廃止されることとなったため、当期決算で税効果会計を適用する場合の実効税率は、復興特別法人税廃止後の税率を適用することとなる。

※今回は、紙面の都合から各税制の詳細な要件については割愛している。

税務ニュース№366


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