いよいよゴルフ会員権売却損の損益通算廃止か?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


平成26年度税制改正で廃止となるのか!?

平成26年度(2014年)税制改正大綱に盛り込む項目が本格的に検討され始めている。日本経済新聞(11月29日付)によると、「政府・与党は28日、ゴルフ会員権やリゾート会員権の売却で生じた損失を、2014年度から所得控除の対象としない検討に入った。売却で損失が出た場合の所得税負担が増える。バブル期に高値で会員権を購入した人などが影響を受けそうだ。14年度の税制改正大綱に盛り込む方向で検討する。早ければ14年度からの実施を目指す。」とのこと。

毎年のようにゴルフ会員権売却損の損益通算廃止が話題にあがってきたが、今度こそいよいよ廃止となるかもしれない。

ゴルフ会員権の売却は総合課税

所得税法上、個人が所有する高価な宝石、書画、骨董、別荘など「生活に通常必要でない資産」は「ぜいたく品」とみなして、売却損は他の所得と相殺できない仕組みとなっている。

しかしながら、ゴルフ会員権は「ぜいたく品」とはみなされず、売却した場合の譲渡所得は、事業所得や給与所得などの所得と合わせて税金を計算する「総合課税」の対象となる。つまり、ゴルフ会員権売却損は給与所得や事業所得などから控除(損益通算)できるというわけだ。

これにより、例えばサラリーマンの方が値下がりしたゴルフ会員権を売却することにより、その売却年度分の所得税と翌年の住民税を減らすことが出来る。課税所得1,000万円の給与所得者が、ゴルフ会員権を売却して500万円の損失がある場合、これらを損益通算し、所得税額で約120万円を減らすことができる。改正が行われ損益通算できなくなると、その分税金が増えることになる。

かつて値上がり目的で購入し、ほとんどプレーすることもなく含み損を抱えているゴルフ会員権については、損益通算廃止となる前に実現損を出して、税金で穴埋めをするのも一考である。

ただし、一旦は損失を出すため売却するが、それは見せかけの行為であるなどのケースでは、税務当局も厳しく目を光らせている。そのためにも、購入及び売却に関する書類はきちんと保存しておいたほうがよいだろう。

※この記事は12月10日時点の情報をもとに作成しています。改正内容は、正式決定したものではありません。今後の動向にご注意ください。

税務ニュース№351


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