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今村 仁

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(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


最新税務ニュース308 2013.2.4
「所得拡大促進税制」は「雇用促進税制」との有利選択

●給与等支給増加額の10%の税額控除

平成25年1月24日に、自民党・公明党から平成25年度税制改正大綱が発表され、1月29日に閣議決定された。税制改正項目は多岐に渡るが、今回は「所得拡大促進税制」について取り上げたい。

おおまかに言うと、「所得拡大促進税制」は、個人の所得水準を底上げする観点から、給与等支給額を増加させた場合、当該支給増加額について10%の税額控除を認める制度である。現行税制において、同様の雇用拡大を促進する税制として、「雇用促進税制」があるが、今回の「所得拡大促進税制」はこれとは別に新設され、「雇用促進税制」との選択制が予定されている。

具体的には、青色申告書を提出する法人が、平成25年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、その法人の雇用者給与等支給増加額(雇用者給与等支給額から基準雇用者給与等支給額を控除した金額)の基準雇用者給与等支給額に対する割合が5%以上であるとき(次の@及びAの要件を満たす場合に限る。)は、その雇用者給与等支給増加額の10%の税額控除が認められる。

  1. @雇用者給与等支給額が前事業年度の雇用者給与等支給額を下回らないこと
  2. A平均給与等支給額が前事業年度の平均給与等支給額を下回らないこと


ただし、当期の法人税額の10%(中小企業者等については、20%)が限度となる(所得税についても同様)。

●「雇用促進税制」との有利不利

この「所得拡大促進税制」は、新規雇用ではなく、労働分配の拡大を重視している点に特徴がある。新規雇用を重視する「雇用促進税制」との違いはそこにある。そのため、「雇用促進税制」のようにハローワークへの事前届出や事後承認などの手続はないものと思われ、その点では使い勝手がよい。

ただ、給与等支給額が増加する場合には、やはり新規雇用を伴う場合も多いと思われる。そのようなケースでは、「雇用促進税制」の手続を進めながら、両者の有利不利をシミュレーションしなければならないだろう。なお、「雇用促進税制」においても、税額控除限度額が増加雇用者数1人当たり20万円から40万円に引き上げられる予定であり、適用要件の判定の基礎となる雇用者の範囲についても所要の措置が講じられるということなので、そちらの動向も合わせて注視しておく必要があるだろう。

なお、平成25年度税制改正については、国会を通過するまでは決定事項ではないため、ご注意頂きたい。

(担当:村田)

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