税務調査シーズン、乗り越えるための2大目標

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


税務調査の時期と対象とされる会社

最近、税務調査の連絡があった、又は現在税務調査が進行中という中小企業も多いだろう。1年の中でも、税務調査が比較的集中的に行われるシーズンがある。税務署の事務年度は7月から6月までの1年間となっており、年度開始後の秋以降年末までが最初の調査シーズンとなる。年始からは税務署も個人の確定申告に忙殺されるため、3月までは比較的調査は少ない。確定申告が終わると、事務年度が終わる6月までが2度目の調査シーズンとなり、現在はこの時期に当たる。

また、税務調査は通常、3~5年間隔で行われる。中には5年以上税務調査がない、という会社を耳にしたりもするが、原則的には少なくとも5年程度の間には、調査が行われる場合が多い。設立して間もない会社の場合には、設立後3~4期が経過してから、税務調査があるのが通常である。

税務調査の対象とされやすい会社には、いろいろなパターンが考えられるが、3~5年推移で決算書の数字を比較したときに、何か突発的な数字がある、業界平均と比べて異常値がある、急成長している、などの会社は調査対象となりやすい。また、税務署は重点調査業種を設定しており、その業種についても調査対象となりやすい。

税務調査と追加税額の有無

税務調査があると、必ずいくらかの追加税額を支払わなければならない、いわゆる「お土産」を用意しないと終わってもらえない、というような話を聞くが、現実にはそのようなことはない。申告是認(追加税額なし)の調査も決して珍しいことではなく、修正項目がないからといって、理不尽な指摘を受けることはない。

ただ、注意が必要なのは赤字法人であっても税務調査はあり、しかも追加税額を払わなければならない可能性がある、ということである。赤字法人の場合には繰越欠損金があるため、修正項目があったとしても、繰越欠損金の範囲内であれば、結果的に法人税において追加税額は生じない。しかし、消費税・源泉所得税・印紙税については、利益に関係なく課税されるため、これらの項目で修正があれば、赤字であっても追加税額が生じる。追加で支払うのは本税だけでなく、加算税、延滞税、過怠税等も支払わなければならない。これらを含めると、結果的に追加税額が2~3割増えることもある。赤字法人に限ったことではないが、これらの税金についても日頃の適正な処理が重要になる。

調査の2大目標

税務調査では、できるだけ追加税額を少なくするというのが目標であるが、それ以外にも、「真面目な納税者であることをわかってもらう」という目標がある。調査官は通常約3年おきに異動があり、同じ会社を2度調査することは基本的にない。そこで、今回の調査内容等を次の担当者に伝えるため、引継書を作成する。引継書は税務署の記録として残り、次回の調査官は、前回の引継書に必ず目を通す。そのため、今回の調査で「真面目な納税者」ということを理解してもらうことは非常に重要である。

税務ニュース№226


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