来年度(平成23年度)税制改正はどうなる?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


税制改正、政府と民主党で二元化の動き

政府税制調査会が今月から再開され、いよいよ年末に向けての税制改正議論が活発になりそうである。昨年との違いとして、今年は政府税制調査会に加えて、民主党の“税制改正プロジェクトチーム(PT)”や“税と社会保障の抜本改革調査会”などが相次いで発足している。このあたりの、政府と民主党の二元化の動きが年末に向けてどう影響してくるのか、気になるところである。

法人税率引き下げと課税ベース拡大

平成23年度税制改正に向けての議論の中で、目玉となりそうなのは、法人税率の引き下げである。菅首相も導入を検討する姿勢を示しており、かなり現実味を帯びてきている。経済産業省は、今年8月の税制改正要望において、法人税率の5%引き下げを要望しており、当面の議論も恐らくそのあたりが焦点になるものと思われる。

ただし、法人税率を5%引き下げるためには、約1~2兆円の財源が必要になると言われる。民主党は以前から、租税特別措置法の見直しを掲げており、平成23年度税制改正においても、ある程度の縮小・廃止などが予想されるが、それだけでは5%引き下げの財源には足りないものと思われる。

平成22年度税制改正大綱では、“課税ベースの見直し”、“課税ベースの拡大”という言葉が随所に見られ、今回の税制改正においても、財源確保のためのキーワードとなる可能性がある。具体的にはあくまで推測の域を出ないが、赤字法人に対して課税ベースを拡大する、とした場合には、繰越欠損金の見直しなどが行われることも考えられる。いずれにしても、法人税率の引き下げを実現するには、財源探しがネックになるだろう。

来年度改正、その他の論点

法人税率引き下げ以外にも、現時点でいくつかの項目が具体的に検討課題に挙がっている。まず、雇用促進税制の導入が検討されているようである。具体的な内容はわからないが、一定の分野等で従業員を雇用した場合に、税額控除が受けられるようなシステムが考えられる。ただし、税額控除の場合、赤字法人は恩恵を受けられない。また、既存の助成金との兼ね合いもあり、全体像はまだ見えてこない。

法人関係ではその他に、環境税の導入も気になるところである。平成22年度税制改正大綱の中にも、「平成23年度実施に向けて成案を得るべく更に検討を進めます」と触れられており、年末に向けて議論の対象となることが予想される。

個人関係では、配偶者控除の見直しや相続税の課税ベース拡大などが検討されるようである。平成23年からは扶養控除の縮小が既に決定しており、子ども手当や将来の消費税増税との関係もあることから、こちらも議論は難航しそうである。

税務ニュース№196


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