還付申告書はいつまで遡って提出できるのか?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


実は、母親を扶養にできた・・・

先日、無料の還付申告相談会場で実際にあったケース。納税者(サラリーマン)の父は亡くなっておられ母が多額の遺族年金をもらっているので、この納税者は母を扶養家族にできないと思っていた。しかし、遺族年金が非課税であることを知り、母を扶養にできることが判明した。そこで、納税者は、母を扶養にするための還付申告をしに、相談会場に来られたのだ。

この場合、いつにまで遡って申告できるのだろうか?

過去に確定申告をしている場合

過去に確定申告をしている納税者については、法定申告期限から1年以内であれば「更正の請求」を行うことができる。例えば、平成20年分について既に医療費控除を受けるために還付申告書を法定申告期限である平成21年3月16日(15日が日曜日のため)までに提出している場合。更正の請求」を提出できる期限は、平成22年3月16日となる。なお「更正の請求」については、一般の確定申告書とは用紙も記載方法も異なるので、既に提出した還付申告書の控を持参して所轄の税務署で教えてもらうほうがよいだろう。

では、平成19年分以前(既に還付申告書を提出済み)はというと、「更正の請求」はできないことになる。残された救済手段としては、所轄の税務署長へ嘆願という方法でお願いすることになる。こちらについては、所轄の税務署長に決定権があるので結果はわからないが、試してみる価値はある。

過去に確定申告をしていない場合

年末調整のみで税金精算が完了している納税者の場合、還付申告書を提出できる期間は、申告書を提出できる日から起算して5年間である。平成17年分の還付申告書を提出できる日は、平成18年1月1日であるから、還付申告書を提出できる期間は平成22年12月31日までとなる。従って、平成17年分から平成21年分の5年間について、還付申告書を提出できることになる(平成16年分は提出できない)。

なお、もともと確定申告義務があるにもかかわらず提出していない納税者については、提出期限が異なる。平成17年分の確定申告書を提出できる日は平成18年2月16日からであるため、確定申告書は平成23年2月15日まで提出することができる。

扶養1人で38万円の所得控除なり!

さて、冒頭の納税者のケースに戻るが、サラリーマンで過去に確定申告書を提出したことがなかったため、平成17年分から5年間の還付申告書を提出することができた。扶養控除38万円に、母は76歳で同居しているため同居老親控除20万円が加わり、合計58万円の所得控除の増加となった。還付額は、おおよそ58万円に所得税率を乗じた金額となる。さらに所得控除は住民税にも影響をあるので節税メリットは大きい。

過去に遡って還付申告することは手続きが面倒というデメリットがあるが、還付金額が大きい場合は税理士に手数料を支払ったとしても充分に元がとれると思われる。

税務ニュース№165


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