中小企業倒産防止共済に加入しよう

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


連鎖倒産対策に倒産防止共済の活用

上場企業の倒産は少し一服してきた感があるが、中小企業の倒産は依然増加傾向にある。これから年末年始に向けて、資金繰りが厳しくなる中小企業が増えてくることが予想される。自社は何とか持ちこたえたとしても、取引先で倒産が起これば連鎖倒産の危険が高まる。中小企業の場合、そういう非常事態に備えた対策をしておかなければならない。

そこで、そのような中小企業には中小企業倒産防止共済の活用をおすすめしたい。これは中小企業基盤整備機構が運営している、取引先の倒産に備えた共済制度である。今回は、この倒産防止共済の内容を簡単にご紹介していきたい。

まず、この倒産防止共済は個人事業主や中小企業が対象であるため、資本金等の額や従業員数において一定の要件を満たさないと加入することができない。例えば、卸売業なら資本金等の額が1億円以下又は従業員数が100人以下、小売業なら資本金等の額が5,000万円以下又は従業員数が50人以下、といった具合である。具体的には、中小企業基本法に定める中小企業が対象となる。

メリットは3つ

倒産防止共済のメリットは主に3つある。

まず、最初のメリットは支払う掛金が税法上損金算入できることである。掛金は月額5,000円から80,000円までの間で加入者が自由に決めることができる。掛金は途中で変更することができるが、減額に当たっては一定の要件が定められているため、できれば無理のない金額から少しずつ増やしていく方が望ましい。尚、掛金は総額が320万円になると、打ち止めになり、それ以上積み立てることはできない。

2つ目のメリットは、取引先の倒産があった場合には、掛金総額の10倍まで貸付を受けられることである。ただし、掛金総額は320万円までしか積み立てることができないため、貸付金額は3,200万円が限度となる。この貸付けは、無利子、無担保、無保証で借り入れることができる。

ただし、いったん貸付けを受けると、貸付金額の10分の1に相当する金額が掛金総額から控除されるため、実質的にはその金額が借入利息となる計算になっている。返済期間は、6ヶ月の据置期間を含めて5年返済となる。

自治体によって、掛金補助制度あり

注意したいのは、取引先の倒産についての要件である。ここでいう倒産とは法的整理を指しており、夜逃げ等の場合には貸付けが受けられない。

3つ目のメリットは、取引先の倒産が起きていなくても、低利で一時貸付が受けられることである。貸付が受けられる範囲は、解約手当金の約70%から95%の範囲内となっている。現在は、自民党の追加経済対策により、利率も年0.5%に減額されている。尚、倒産防止共済は解約も可能で、40ヶ月以上加入していた場合には、掛金の全額が戻ってくる。

現在、自治体によっては、倒産防止共済の掛金を一定限度額まで補助する制度を設けているところもあるので、まだ加入されていないところはぜひ検討しておきたい。

税務ニュース№152


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