民主党政権になったら税制はどうなる?

(注)執筆当時の法律に基づいて書いていますのでご利用は自己責任でお願いします。


自民党惨敗!

先日行われた都議選では、自民党が44年ぶりに第1党から転落し、民主党が第1党となった。自民党は公明党と合わせても過半数に満たず、麻生総理は8月30日の総選挙を明言している。もちろん結果は終わってみないとわからないが、もし民主党政権が誕生すれば、日本の政治も大きく変わるだろう。

そして恐らく変わるのは政治だけではないはずである。税制についても、これまでは自民党税制調査会の意向が大きく影響していたが、これが民主党政権になれば、これまでの税制改正の流れが大きく変わることも考えられる。

民主党税制抜本改革アクションプログラム

では、もし民主党政権が誕生すれば、日本の税制はどのように変わるだろうか。手掛かりになるのは、昨年12月24日に発表された「民主党税制抜本改革アクションプログラム」である。これは12月12日に自民党から発表された「平成21年度税制改正大綱」に対抗する民主党案である。ここに、民主党が考える税制のあり方がまとめられている。各税目について、かなり具体的なプランも書かれているので、今回はこの中から今後のヒントになるかもしれない点をいくつかご紹介したい。

所得控除から手当・税額控除へ

所得税においては現在、配偶者控除、扶養控除等の所得控除の制度が設けられている。民主党はこの所得控除制度が不平等だと主張している。理由は、所得税が超過累進税率となっているため、同額の所得控除であれば、高所得者ほどその恩恵を受ける仕組みになっているからである。そこで、民主党は所得控除を各種手当や税額控除へ移行していく考えを示している。この場合、手当というのは現金給付される児童手当のようなものを指すものと思われる。ただ、税額控除ではそもそも税額が発生していない方はその恩恵を受けられないことになる。

給付付き消費税額控除とは

そこで、民主党が主張しているのが「給付付き税額控除」である。これは所得税が税額控除額を上回っているときには税額控除として適用し、逆に所得税が税額控除額を下回っているときには、控除不足額を現金給付する制度のことである。海外でも既に導入されている国はあり、民主党はこの「給付付き税額控除」の導入を主張している。

さらに民主党は「給付付き消費税額控除」の導入も提案している。消費税は所得に関係なく一律で課税されるため、所得が少ない方ほど実質的な負担は重くなるという「逆進性」がある。その「逆進性」を緩和するため、最低限の生活をするためにかかる消費税については、「給付付き消費税額控除」で実質的に免除するという考え方である。

その他中小企業に対する税制改正については、法人税の軽減税率の半減、特殊支配同族会社の役員給与損金不算入制度の廃止などを主張している。いずれにしても、次回の選挙の結果が来年の税制改正を大きく左右することになりそうである。今後の動きに目が離せない。

税務ニュース№136


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