節税対策集96 2006.6.28
3つの新役員給与制度−2
前回からの続き、「3つの新役員給与制度−1」。
▼事前確定届出給与
法人税法上経費処理が認められる役員給与は3種類(定期同額給与、事前確定届出給与、利益連動給与)となりましたが、前回1つ目の「定期同額給与」を解説しましたので、今回はその2つ目である「事前確定届出給与」及び3つ目の「利益連動給与」について解説します。
この「事前確定届出給与」では、まずその給与に係る職務の執行を開始する日と会計期間3月経過日とのいずれか早い日までに、所轄税務署長に役員給与額など一定の内容を記した届出書を届け出ないといけません。
そしてその上記届出書のとおり役員給与を支給することとなります。
この場合は、役員賞与であっても費用処理が認められます。
▼事前確定届出給与は、慎重に対応を
役員賞与が費用に認められるなら、この「事前確定届出給与」制度というのは使えるのではないかと思われるかもしれませんが、これには慎重な対応が望まれます。
というのは、この事前確定届出給与というのは先ほど述べたようにその支給予定の給与や賞与を事前に税務署に届け出ておかないと、その費用性を認めてくれません。
ということは当然、利益が出てきたから来月役員賞与を支給しようと期中に決定したものについては、費用処理が認められないということです。
また、税務署に届け出た役員給与額と実際支給額が異なる場合も注意が必要です。
支給額が異なるということは、事前に支給額が確定していたものとはいえないことから、事前確定届出給与に該当しないこととなります。
そして、増額支給の場合であれば増額分だけの税務否認ではなくて、実際支給額全額が損金不算入となってしまうのです。
▼利益連動給与は上場会社向け
まずこの「利益連動給与」制度を利用できるのは、同族会社以外の会社ということになっています。
またこの同族会社には、非同族の同族会社も該当しますので、結局この制度を利用できる会社というのはかなり限定されます。
具体的には、上場会社をイメージしてつくられた制度のようです。
「利益連動給与」とは、同族会社以外の会社が、客観的な利益に関する指標をもとにその利益に連動して役員給与を支払った場合(他に要件有り)に、法人税法上費用処理を認めるというものです。
今まで3つの新役員給与制度をご紹介しましたが、一般的な中小同族会社の場合、まず上記「利益連動給与」は選択できませんし、また2の「事前確定届出給与」を出すぐらいなら、最初からその支払う予定の役員賞与分を含めて12月で割って毎月の役員給与額を決めて、何の届出もいらない1の「定時定額給与」を選択するのがベターではないかと思います。
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