節税対策集93 2006.6.11
自己株式=金庫株は事業承継対策に使える!
▼平成18年5月1日より会社法施行
平成18年5月1日より、商法第2編・有限会社法・株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律等の各規定を再編集した「会社法」が施行されました。
そしてその会社法では、最低資本金規制(有限会社300万円、株式会社1,000万円)を撤廃したうえで有限会社制度を廃止(既存の有限会社は存続可能)し、株式会社制度に1本化されました。
ただし、会社の内部関係については組合的規律が適用される合同会社(LLC=Limited Liability Company)という新たな会社制度を別途設けました。
また会社設立関係についても期間設計の柔軟化(取締役1人でもOK)や類似商号規制の撤廃など、起業を後押ししているといえます。
今回の会社法では、他にも会計参与制度の導入や組織再編制度の整備、株式制度の改善(種類株式の拡充)なども行われています。
経営者にとっては影響の大きい今回の会社法ですが、その中でも今回のコラムは自己株式(金庫株)の取得について詳しく説明します。
ちなみに自己株式というのは、自社が発行する株式を現株主から自社が買い取ることをいいます。
▼自己株式(金庫株)の取得は「いつでも、何度でも、誰からでも」可能に
会社法においては今まで以上に、自己株式が利用しやすいものとなりました。
具体的には、以前では定時株主総会に限定されていた自己株式の取得が、臨時株主総会でもいいこととなりました。
また以前では会社に株式を売却する譲渡人をあらかじめ指定しておかないといけなかったのが、今回の会社法においては、あらかじめ譲渡人を指定せずに会社が自己株式を取得できる方法が新たに創設されました。
結局こういった改正によって、現在自己株式の取得というのは、「いつでも、何度でも、誰からでも」取得が可能ということになりました。
▼自己株式のメリット
それではどういったときに自己株式の取得が有効となるのでしょうか。
一番最たるものは、事業承継対策においてです。
例えば相続税を払えない事業承継相続人などから会社が自己株式を買い取ることによって、会社のお金を相続人に移転することができ、結果相続税の納税に充てることが可能です。
また分散した株式を定款自治などを使って会社が買い取ることも可能です。これは株式分散対策=経営権確保対策といえます。
そしてこの自己株式を相続時に活用すれば、税制上優遇されることにもなります。
1つは売却した株主の税金計算においては、通常ならば「みなし配当課税」となって最高50%の税率がかかる可能性があるのですが、それが相続で取得等した(非上場)株式を相続税の申告期限後3年以内に発行会社に譲渡した場合には「譲渡所得課税」となり税率が20%となります。
また「相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例」も利用できる場合があり、税負担が下がることになります。
▼活用ポイント
今までみてきたように自己株式の取得というのは、特に中小企業の事業承継面においては有効であるといえます。
ただし、以下の点については十分事前に考慮されることを最後に付け加えておきます。
・自己株式買取後の株主構成
・自己株式買取のための財源
・財源規制(分配可能額の範囲内)
・買取価格(法人税法上の時価への配慮)
Copyright 2004-2005 All rights reserved By 今村仁税理士事務所
節税対策集に戻る
|