節税対策集87 2006.4.5
情報基盤(セキュリティ)強化税制、新設
▼情報基盤強化税制、決定
平成18年度税制改正が国会を通過して、いよいよスタートしました。
その中でも今回は、IT系の減税をお伝えします。
以前は「IT投資促進税制」というものがありましたが(平成18年3月31日で廃止)、それに変わるものとして、「情報基盤強化税制」、いわゆるセキュリティ強化税制ができました。
「情報基盤強化税制」に該当するIT投資を行えば(一部リースでも認められる)、基準取得価額(購入価額の70%)に対して10%の税額控除か50%の特別償却が認められることになっています。
適用期間は、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に取得・事業供用した場合です。
▼まずは、対象資産は?
まずは、この「情報基盤強化税制」の対象となる資産から見ていきましょう。
イメージとしては、「高度な情報セキュリティが確保された情報システム投資」といった感じです。
1. OS及びこれと同時に設置されるサーバー
2. データベース管理ソフトウェア及びこれと同時に設置されるアプリケーションソフトウェア
3. ファイアウォール(1又は2と同時に取得されたものに限る)
そして高度な情報セキュリティを確保するという趣旨から、上記のOS及びデータベース管理ソフトウェア、ファイアウォールについては、「ISO/IEC 15408」に基づいて評価・認証されたものでないといけません。
この「ISO/IEC 15408」というのは、製品やシステムに対してのセキュリティを評価するものです。
▼適用となるための最低年間投資額
次に、この「情報基盤強化税制」を適用できる条件として、「青色申告書を提出する事業者」となっていて、法人に限らず個人事業者も適用できることになっています。
ただし法人の資本金の大きさごとに、最低年間投資額が決められています。
資本金1億円以下 年間300万円以上
資本金1億円超10億円以下 年間3,000万円以上
資本金10億円超 年間1億円以上
さらに資本金1億円以下の場合には、対象資産をリースした場合にも適用があります。
その場合は、リース費用の総額420万円以上という条件をクリアーしないといけません。
▼どれくらい減税か?
例えば、資本金1億円以下の会社が、「情報基盤強化税制」に該当する投資を年間1,000万円おこなったとします。
その場合「税額控除」を選択すると、1,000万円×70%×10%=70万円(ただし、法人税額の20%が限度、超過分は翌年にのみ繰り越せる)の節税となります。
つまり、基準取得価額(購入価額の70%)の10%分を税額控除できることになっています。
ちなみに、リースの場合は、リース費用の総額×70%×60%×10%の税額控除ということになります。
一方「特別償却」を選択すると、1,000万円×70%×50%=350万円が通常の減価償却費に加算して費用計上できることになります。
ただし「特別償却」というのは、今後費用できるものを前倒しにしているだけなので、通算すると(ほぼ)同じことになります。
一般的には「税額控除」を選択したほうが有利となると考えられるのですが、とはいえ、会社の今後の利益状況や投資金額の大きさ等によっては、特別償却を選択したほうがメリットとなる場合もありますので、それぞれの会社でご判断ください。
▼残念ながら、該当しなかった場合
該当すれば節税効果の高い「情報基盤強化税制」なのですが、適用対象資産が以前の「IT投資促進税制」よりも狭まった感がありますので、該当しなかったというケースも多々あるでしょう。
しかし、「情報基盤強化税制」に該当しないからといって、落ち込むことなかれ!
そんな方には、「中小企業投資促進税制」や「少額減価償却資産の特例」があります。
これらについては、次回解説しますのでお楽しみに。
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