節税対策集86 2006.4.5
同族会社の役員報酬一部損金不算入―税制改正
▼税制改正、国会通過
3月27日に、平成18年度税制改正法案が参議院本会議で可決・成立しました。そして3月31日には政省令も官報に公布され、4月1日施行となりました。
いよいよ平成18年度税制改正がスタートすることになるのですが、その中でも会社経営者にとって(これから起業を目指す方にも影響大)影響が一番大きいと思われるものに、「同族会社の役員報酬の一部損金不算入」というものがあります。
▼90%以上の株と半数以上の同族役員
その内容は、業務主宰役員グループが90%以上の株式を所有し常務従事役員の過半数が業務主宰役員グループの場合に、その業務を主宰する役員報酬の「給与所得控除相当額」が損金にならないというものです。
例えば年収600万円の場合174万円、年収1200万円で230万円の給与所得控除額が損金不算入になるのです。
230万円に法人の実行税率40%をかけると、約90万円の増税ということですので、この影響は非常に大きいといえるでしょう。
▼給与所得控除とは?
それではその増税インパクトの対象となる給与所得控除について、速算表を以下に掲げますので、参考にしてください。
おおまかには、給与収入が600万円以下であれば大体3割程度で、給与収入の上昇にともないその割合は下がります。給与収入1,200万円で大体2割程度となっています。

▼どれくらいの増税?
次に、どれくらいの増税になるのかをシミュレーションしてみました。
ただし前提として、以下のシミュレーションは、単純に役員の給与所得控除額が損金不算入になったと仮定した場合で実効税率を41%としています。

▼対策を考える
それでは、この増税に対する対策はあるのでしょうか?
現在公表されている法律や政令などから判断すると、
1. 株主構成を変える
具体的には、10%超の株式を非同族の株主にもってもらう。取引先などと株の持ち合いなども考えられます。しかしこれにはすでに規制が入って意図的なものは租税回避となりますのでご注意を。
2.役員構成を変える
常務従事役員の過半数が同族の場合に、今回の規制の対象となります。
ということは、常務従事役員の半数以上を同族以外にすると、規制の対象外ということになります。
3. 社長以外に多く報酬を支払う
今回の税制改正の対象となるのは、「業務を主宰する役員に対して支給する給与」となっているので、一般的には社長以外の給料(報酬)を多くすることにより、今回の増税を回避することが可能となるのではないでしょうか(もちろん、実体にそぐわない給料の支給はダメですよ)。
4.社長報酬を一定以内に抑える
今回の税制改正には適用除外の規定も設けられています。それは、社長報酬と法人所得の合計額の直前3年平均額が、1)800万円以下の場合、2)800万円超3,000万円以下の場合で社長報酬額が50%以下のとき、です。
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